猛暑時の停電では熱中症に注意!夏の停電時の対策と防災グッズ8選
地震や台風、落雷や大雪など、日本では様々な自然災害が発生しています。こうした自然災害によって引き起こされるのが停電です。
停電に備えて防災グッズの用意をしている方は多いと思いますが、夏の停電対策に限定して準備をしている人は、それほど多くは無いのではないでしょうか。
他の時期と違って猛暑の時期に停電が起きると、熱中症にかかるリスクが高くなります。そこで今回は、夏に停電したときの熱中症対策や停電時に役立つ防災グッズについてご紹介します。
真夏に停電が起きたときの暑さ対策をしておこう
夏に停電が起きても、短時間で復旧すれば、大きな問題にはなりません。しかし、自然災害によって電力施設が被害を受ければ、復旧までに時間がかかるケースは多いです。
例えば、2019年9月に房総半島を襲った「台風15号」では、千葉県を中心に約93万戸が停電し、解消までに約16日間を要しました。
さらにこの台風15号の時は停電に加えて約14万戸で断水も同時に起きています。このように台風や地震などの自然災害による長期停電や断水は、現実に起こり得ることなのです。そうした事態を想定して備えをしっかりと用意するようにしましょう。
猛暑時に停電すると熱中症対策が難しくなる3つの理由
真夏に停電や断水が起きれば、熱中症にかかるリスクが高くなります。
熱中症は、体内の熱を放出できず、こもってしまったり、大量の汗をかいた結果、水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起きてしまう症状です。
熱中症を防ぐには「体温を下げる」「水分補給」の2つが重要になります。しかし、真夏に停電が起きてしまうと、以下の4つのことが起きてしまい、熱中症になるリスクが高まってしまうのです。
①クーラーなどの冷房器具が使えず体温が上昇してしまう
停電が起きれば、エアコンや扇風機などのコンセントを使った冷房器具が使用できなくなります。真夏に冷房器具が使えなければ、室温の温度が上がり、体温を下げることができなくなります。
②冷蔵庫が使えず冷却アイテムが使えない
停電により冷房器具が使えない場合に真っ先に考えるのが、冷凍庫にある保冷剤などの冷却アイテムを使って、体を冷やす、という方法です。
しかし、保冷剤を入れておく冷凍室は電気が無ければ使えなくなってしまうため、最初は使用できても長期間使用することはできません。
③断水が起きれば水分補給もできない可能性がある
停電と同時に断水も起きれば、水分補給ができなくなる危険があります。
水道から水が出なくても「コンビニで水を買えばいい」と思うかもしれませんが、断水が起きれば真っ先に無くなるのが水です。売り切れてしまうことは十分に考えられます。
冷房の停止による体温の上昇に加えて、水分補給もできないとなれば、熱中症にかかるリスクは飛躍的に高くなってしまいます。
そうならないために、夏の停電対策の際には、水の備えも必要となるのです。
夏に停電したときの熱中症対策7選
①電気を使わない暑さ対策4選
電気を使わない暑さ対策としては以下の4つが挙げられます。
1、窓を開ける
2、保冷剤を使う
3、うちわや扇子を使う
4、水風呂に入る
クーラーが使えなくても、室温を下げられれば体温の上昇は抑えられます。
まずは家の中で日陰になっている箇所の窓を開けて風を入れるようにしましょう。風が入ることで少し体感温度が低くなります。
さらに、室温を下げられなくても、体を直接冷やすことで体温を下げる方法もあります。特に有効なのが、保冷剤などの暑さ対策グッズです。叩くと瞬間的に冷たくなる「瞬間冷却パック」などを使用して、首やわきの下、太ももの付け根などを冷やすと、体全体を素早く冷やすことができます。
真夏の停電時には保冷剤が重要です。もしも停電が起きたらすぐにクーラーボックスや保冷バッグに移すようにしましょう。こうすることで、冷蔵庫が使えなくなっても保冷剤が溶ける速度を遅くすることができます。
また、うちわや扇子も有効です。夏の防災グッズとして常備しておきましょう。さらに断水していなければバスタブに水をためて、水風呂に浸かるのも有効な方法です。
②電気を使った暑さ対策3選
停電が起きてしまっても電気を使って、暑さ対策をする方法もあります。
電気を使った暑さ対策は、主に以下のとおり。
- 車のエアコンを使う
- 電池式の冷房アイテムを使う
- ポータブル電源と冷房アイテムを使う
室内でエアコンが使えないなら、車に避難して、車内のエアコンを使うという方法も。
ただし、車を止めている状態で、長時間エアコンを付けておくと、バッテリーに大きな負荷がかかってしまうため、あくまで一時的な利用に留めましょう。
室内では、ハンディファンなど、電池式の冷房アイテムを用意しておけば、停電になっても、手軽に涼めますよ。
さらに、ポータブル電源があれば、サーキュレーターなど、コンセント式の冷房アイテムの使用も可能。
ポータブル電源については、次の「夏の停電に備えて!用意しておきたい防災グッズ8選」のパートで、詳しく紹介しますね。
夏の停電に備えて!用意しておきたい防災グッズ8選
夏の停電時に、熱中症にかかるのを防ぐためには、以下のような防災グッズを備えておくことが重要です。
熱中症予防に備えておきたいアイテムは、主に以下の8種類です。
それぞれのアイテムについて詳しく説明します。
①大量の水
熱中症対策には水分補給が重要です。断水時に直接飲むのはもちろん、暑さ対策の水風呂を作る際にも役立つため、大量に備蓄しておくようにしましょう。
大量の水を備蓄しておくのには、ペットボトルを使うのが有効です。ミネラルウォーターを箱買いしてもOKですし、空のペットボトルに水道水を入れて、保管しておいてもいいでしょう。
水を入れたペットボトルのいくつかは凍らせておくと便利です。凍らせた水は保冷剤の代わりにもなるので、体温を下げる際に使用できます。
②塩タブレット
熱中症は水分だけでなく、塩分の不足によっても起こります。そこで用意しておきたいのが、手軽に塩分がとれる塩タブレット。
塩タブレットは、ドラッグストアや通販などで購入できます。
③経口補水液
脱水症に陥った場合に備えて、経口補水液も用意しておきましょう。
経口補水液とは、水とカリウムやナトリウムなどの「電解質」が、適切な濃度で配合された飲料。
脱水は、水分だけでなく、電解質が不足した状態で起こるため、両方が摂取できる経口補水液は、脱水症の療法に用いられています。
経口補水液は、薬局やドラッグストア、通販などでも販売されています。
見た目はスポーツドリンクに似ていますが、あくまで治療用の飲料なので、用法用量を守って飲みましょう。
④クーラーボックス
真夏の停電において、保冷剤を有効活用するために必須のアイテムが、クーラーボックスです。
停電が起きて、冷蔵庫が使えなくなってもクーラーボックスに移すことで、保冷剤が溶ける速度を遅らせることができます。
またクーラーボックスの中に保冷剤を入れておくことで、温度も低く保てるので、保冷剤は体を冷やす用とクーラーボックスの温度を保つ用に分けておくといいでしょう。
⑤保冷剤
夏の停電時に、体温を下げるのに欠かせないのが保冷剤です。わきの下に直接挟むほか、保冷剤を巻いたタオルを首に巻くのも有効です。
保冷剤は、お店でケーキやアイスを買ったときに付けてもらえるほか、100均でも、複数個が1セットになって販売されています。長期間の停電にも耐えられるよう、大量に用意しておくようにしましょう。
⑥冷却タオル
冷却タオルは、水に濡らして絞り、広げた状態で数秒間降り回すだけで、冷たくなるという優れもの。
保冷剤と同じように、首に巻くなどして、体を冷やすのに有効です。体温で温くなっても、また水に濡らしたり振ったりするだけで、すぐに再度冷やすことができます。
⑦乾電池式のハンディファン
停電時に冷風で涼むには、うちわや扇子などを使ってもいいのですが、長時間ずっと扇ぎ続けるのは大変ですよね。
そこでおすすめなのが、片手で持てる扇風機「ハンディファン」です。乾電池式のハンディファンがあれば、停電時にも電池で動かすことができます。長期間の停電に備えて、乾電池も多めに用意しておきましょう。
⑧ポータブル電源とサーキュレーター
ポータブル電源は、モバイルバッテリーよりも大容量であり、コンセントやシガーソケットも利用できる蓄電池です。
普段は自宅のコンセントから充電することができるため、手軽に充電ができ、さらにためた電気を利用して、電化製品を動かすことができます。
このポータブル電源があれば、停電時であっても、扇風機やサーキュレーターなどのコンセント式の冷房器具を使用することができ、さらに高出力のタイプであれば家庭用冷蔵庫やクーラーも動かすことができるのです。
また、別売りのソーラーパネルと組み合わせることで、停電時であっても電気を作り出すことができるため、ポータブル電源の電池残量が減っても再度充電することができるのです。
このポータブル電源とソーラーパネルもぜひ真夏の猛暑を乗り越える、防災グッズに加えてみることをおすすめします。
Jackery ポータブル電源 一覧
まとめ
毎年のように、大規模な自然災害が起きる日本では、防災や停電の対策が欠かせません。
特に、夏に停電が起きると、熱中症の危険が高くなるため、注意が必要です。
猛暑時に停電が起きても、熱中症にかからないように、この記事で紹介した方法や防災グッズを使って、事前に対策しておきましょう。
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