土砂崩れ対策は個人でもできる!国や自治体の取り組み事例も紹介

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直近10年間のデータを見ると、土砂崩れ(土砂災害)は全国で平均1,499件/年も発生しており、国内の土砂災害危険箇所は約525,000ヶ所にのぼります。日本の国土面積の約7割が山地・丘陵地であり、決して他人事ではありません。

直近10年間のデータを見ると、土砂崩れ(土砂災害)は全国で平均1,499件/年も発生しており、国内の土砂災害危険箇所は約525,000ヶ所にのぼります

引用:政府広報オンライン「土砂災害から身を守る3つのポイント」

 

この記事では、土砂崩れの種類や実際の事例を紹介し、個人でできる対策から国・自治体の取り組みまで解説します

目次
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1.土砂崩れの種類は3つ|実際の事例も紹介

土砂崩れ(土砂災害)とは、大雨や地震などをきっかけに山やがけが崩れ、人命や建物を脅かす災害の総称です。発生のしかたによって、次の3種類に分けられます。

種類

特徴

発生しやすい場所

がけ崩れ

急な斜面が突然崩れ落ちる

傾斜30度以上の急傾斜地

土石流

土砂・岩石・水が混ざって一気に流れ下る

山間部の谷や渓流沿い

地すべり

斜面の土塊がゆっくりと動く

比較的緩やかな斜面

それぞれの特徴と実際の被害事例を詳しく見ていきましょう。

参考:国土地理院「土砂災害の種類」

①がけ崩れ|斜面が突然崩れ落ちる

がけ崩れは、大雨や地震などの影響で、急な斜面が突然崩れ落ちる現象です。傾斜30度以上の急傾斜地で発生しやすく、崩れた土砂は斜面の高さの2〜3倍の距離まで達することもあります。

発生から終わるまでが数秒〜数十秒ととても短く、事前の察知が難しいのが最大の特徴です。がけ崩れの前兆として、次のようなサインが現れることがあります。

 斜面にひびや亀裂が入る

 斜面から水がわき出す、にごった水が流れ始める

 斜面や地面がふくらんで見える

 山鳴りや石がぶつかる異様な音が聞こえる

例として2018年7月の西日本豪雨では、広島県・岡山県・愛媛県を中心に土砂災害が多発しました。 

がけ崩れ|斜面が突然崩れ落ちる。2018年7月の西日本豪雨では、広島県・岡山県・愛媛県を中心に土砂災害が多発しました。

引用:国土交通省「1.平成30年7月豪雨災害の概要と被害の特徴」

 土砂災害と浸水の被害で死者・行方不明者は計271名となっています。

関連人気記事:大雨による水害対策グッズ8選!突然の豪雨による浸水・洪水から身を守る方法とは

②土石流|土砂が川を流れ下る

土石流は、山の土砂や岩石が大量の水と混ざり合い、谷や川を伝って一気に流れ下る現象です。時速20〜60kmほどの猛スピードに達することもあり、家屋を押しつぶしながら山裾の集落まで一瞬で到達します。

前兆が少なく逃げ遅れやすいのがとくに大きなリスク。また、谷の上流で大雨が降っていなくても発生することがあります。注意すべき前兆サインは以下のとおりです。

 川の水が急に濁り始める・流木が流れてくる

 渓流の水量が突然増えたり減ったりする

 山の方から低いごろごろとした音が聞こえる

2014年8月の広島豪雨では、深夜から未明にかけて安佐南区・安佐北区などを中心に土石流が多発しました。

2014年8月の広島豪雨では、深夜から未明にかけて安佐南区・安佐北区などを中心に土石流が多発しました。

引用:広島県「8.20土砂災害」

広島県では死者74名、住家全壊133棟の大きな被害が発生。住宅地のすぐそばで土石流が発生するリスクが広く知られるきっかけになった災害です。

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③地すべり|斜面がゆっくり移動する

地すべりは、斜面の土や岩盤が地下水などの影響を受けて、地面ごとゆっくりと動く現象です。がけ崩れや土石流と比べてスピードは遅く、1日に数mm程度の動きが続くことが多いですが、突然数メートルも動くことがあります。

広い範囲でまとまった土地が動くため、道路や農地・建物が同時に被害を受けるのが特徴です。また、地すべりが河川をせき止めることで天然ダムが形成され、決壊すると下流に大きな二次被害をもたらすこともあります。地すべりが起きやすい条件は以下のとおりです。

 地下水が多く湧き水が見られる地帯

 粘土質の地層が重なっている斜面

 過去に地すべりが起きた履歴がある地区

3種類の中では前兆が比較的つかみやすく、地面のひびや地鳴り、水の濁りなどのサインを見逃さないことが早期避難につながります。

2.個人でできる土砂崩れ対策

ここからは、個人・家庭レベルでできる具体的な対策を5つ紹介します。事前の準備と早期避難の完了が命を守る行動です。詳しく見ていきましょう。

①ハザードマップで自宅周辺が土砂災害警戒区域か確認する

まず取り組むべきなのが、自宅や職場・学校が土砂災害の危険区域に入っているかどうかの確認です。行政が指定している区域には2種類あります。

区域の名称

通称

内容

土砂災害警戒区域

イエローゾーン

土砂災害が発生した場合、住民の命や体に危害が生じるおそれがある区域

警戒避難体制の整備が求められる

土砂災害特別警戒区域

レッドゾーン

警戒区域のうち、建物が損壊して住民の命に著しい危害が生じるおそれがある区域

開発行為の許可制や建物の構造規制が適用される

ハザードマップで自宅周辺が土砂災害警戒区域か確認する

 引用:国土交通省「土砂災害防止法の概要」

 自宅の区域は、国土交通省の重ねるハザードマップから全国どこでも確認できます。スマホからも検索できるため、今すぐ確認してみてください。自宅が警戒区域や特別警戒区域に入っていたら、避難場所・避難経路を事前に確認し、家族と共有しておくことが大切です。

②非常用持ち出し袋を準備する

非常用持ち出し袋を準備する

土砂崩れなどの災害で避難が必要になったとき、すぐに持ち出せる荷物を準備しておきましょう。最低3日分、できれば1週間分の備えが推奨されています。非常用持ち出し袋に入れておきたいものは以下のとおりです。

 1人1日3Lを目安にした水と、レトルト・缶詰・乾パンなどの食料

 停電時の照明となる懐中電灯と予備の電池

 停電中の情報収集に使える携帯ラジオ

 スマホの充電に使えるモバイルバッテリー

 ケガ・病気の簡易処置に使える絆創膏・消毒液・常備薬・体温計などの救急セット

 天候の変化に対応するための防寒具・ブランケット・雨具

 停電時はATMや電子決済が使えなくなるため現金と身分証のコピー

袋は玄関など、すぐに取れる場所に置いておきましょう。年に1〜2回、中身の賞味期限や電池残量を確認する習慣をつけておくと安心です。

③土嚢(どのう)・水嚢(すいのう)で土砂の侵入を防ぐ

土砂崩れが発生した場合、建物の中に土砂や水が流れ込んでくることがあります。土嚢や水嚢を玄関や勝手口・窓の前に積み重ねれば、家への侵入をある程度防げます。

 土嚢:砂を布袋に詰めたもの。重さがあり安定して積み上げられる。自治体によっては無料で配布している場合もある

 水嚢:ポリ袋などに水を入れたもの。砂がなくても水道水で代用可能。軽いが積み上げの安定性は土嚢より劣る

積み重ねる際は、袋の口を折りたたんで下向きに置くと崩れにくくなります。あらかじめ土嚢袋と砂を用意しておくか、大型のポリ袋を数枚ストックしておくと、いざというときに役立つでしょう。

④擁壁の設置/すでにある場合は点検を行う

擁壁(ようへき)とは、土地の段差をつくる際に土が崩れないよう支える、コンクリートや石などで作られた壁のことです。がけ崩れを防止する手段として有効ですが、劣化した擁壁は逆に危険なサインにもなります。

すでに擁壁がある場合は、以下の点を定期的に点検しましょう。

 ひびや亀裂が入っていないか

 壁が傾いたり、はらみ出していないか

 水抜き穴が詰まっておらず、水が適切に排出されているか

 壁の根元に隙間やくぼみができていないか

自分の判断だけでは分からない場合は、市区町村の建築担当窓口や民間の建築士への相談をおすすめします。なお、急傾斜地に接した擁壁の新設・改修は専門的な工事が必要で、費用も高額になりがちです。土砂災害特別警戒区域からの移転補助など、行政の支援制度を活用できる可能性があるので、必要に応じて担当窓口に問い合わせてみましょう。

⑤停電に備えて非常用電源を用意する

停電に備えて非常用電源を用意する

土砂崩れが発生した際、ライフラインへの被害で停電が起きることは少なくありません。停電が発生すると以下のような困りごとが一気に起きます。

 スマートフォンへの充電ができず、情報収集や家族への連絡が取れなくなる

 照明が使えず、避難の安全確保が難しくなる

 テレビ・ラジオが見られず、避難情報の確認ができなくなる

 冷蔵庫が止まって食材が腐る

非常用電源は主に3種類あります。それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

種類

メリット

デメリット

モバイルバッテリー

小型で持ち運びやすい

安い

基本的にスマホ充電のみで家電には使えない

ガソリン発電機

出力が大きく家電を動かせる

燃料が必要

騒音が大きい

屋外専用で室内では使用不可

ポータブル電源

コンセント出力があり家電も使える

静かで排気が出ないので屋内で使用可能

ソーラーパネルと併用で燃料なしで電気を確保

モバイルバッテリーより高価

関連人気記事:家庭用非常用電源おすすめ5選!停電中も冷蔵庫やエアコンを動かしたい人必見

停電時に照明や電子レンジ・電気ケトルなどの調理家電なども使いたい場合は、コンセント出力を持つポータブル電源が最適です。排気ガス・騒音がなく屋内で安心して使えるうえ、事前に充電しておけば突然の停電にもすぐ対応できます。さらにソーラーパネルとの併用で、燃料がなくても電気を使い続けることが可能です。


3.日本における国や自治体の土砂崩れ対策の取り組み事例

個人の対策と並行して、国や自治体もさまざまな土砂崩れ対策を進めています。代表的な取り組みを4つ見てみましょう。

①国:開発行為の制限や建築物の構造規制によるリスク防止

国は2001年施行の「土砂災害防止法」にもとづき、土砂災害のおそれがある区域をイエローゾーンとレッドゾーンに指定し、被害を未然に防ぐための制度を整えています。

特別警戒区域(レッドゾーン)では、次のような規制が適用されます。

 住宅の宅地分譲や、病院・社会福祉施設・学校などの建設を目的とした開発行為には、都道府県知事の許可が必要

 居室を持つ建物の新築・改築には、崩壊土砂の衝撃に耐えられる構造強度を確保するための建築確認が必要

 危険な状態にある建物の所有者に対して、都道府県知事が安全な場所への移転を勧告できる

日本における国や自治体の土砂崩れ対策の取り組み事例

引用:国土交通省「今後の土砂災害対策の進め方」

1999年の広島豪雨(死者24名)をきっかけに制定された土砂災害防止法。対策工事のハード整備に頼るだけでなく、区域指定・警戒避難体制の整備というソフト対策を組み合わせた、日本の土砂災害対策の柱となっています。

②宮城県:砂防えん堤や法枠工などの土砂災害対策工事の実施

引用:宮城県「土砂災害から身を守るために」

宮城県では、砂防えん堤や法枠工などのハード整備を進め、土砂崩れの発生や拡大を防いでいます。

 砂防えん堤:渓流の途中に設けるダム状の構造物。土石流の流れをせき止めたり、流れの勢いを弱めたりする

 法枠工:がけ崩れを防ぐために、傾斜地の表面にコンクリートの枠を格子状に設置し、斜面を固定する

宮城県は東日本大震災以降も、地震による地盤の緩みから土砂崩れリスクが高まった地域を中心に対策工事を進めています。県内の土砂災害危険箇所は8,482か所に及ぶとされており、段階的な整備が続けられています。

宮城県:砂防えん堤や法枠工などの土砂災害対策工事の実施

参考:宮城県「土砂災害危険箇所について」

③鳥取県:警戒区域内の住宅等の建て替え支援

鳥取県・鳥取市では、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内に住む方を対象として、住宅の建て替えや構造強化にかかる費用を補助する独自の制度を設けています。

鳥取県・鳥取市では、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内に住む方を対象として、住宅の建て替えや構造強化にかかる費用を補助する独自の制度を設けています。

引用:鳥取県「土砂災害対策の取組み」

レッドゾーン内では、住宅を建て替える際に壁や基礎を通常よりも強化する必要があり、その分の費用負担が大きくなります。費用の一部を補助することで、区域内の方が安全に住み続けられるよう支援しているのです。

④九州地方:振動センサーや雨量観測レーダーの設置

国土交通省九州地方整備局では、土砂崩れの早期検知と避難情報の迅速な発令を目的として、山間部への振動センサーや高精度な雨量観測レーダーの整備を進めています。

国土交通省九州地方整備局では、土砂崩れの早期検知と避難情報の迅速な発令を目的として、山間部への振動センサーや高精度な雨量観測レーダーの整備を進めています。

引用:国土交通省 九州地方整備局「災害に関する取り組み」

 振動センサーは、斜面で土砂が動いた際の振動をリアルタイムで検知し、異変を速やかに通知する仕組みです。

そして、Xバンドレーダーをはじめとする高解像度の雨量観測レーダーは、局地的な大雨の状況を250mメッシュの精細な単位で把握。土砂崩れの危険度を速やかに判断するための重要なデータをキャッチ・提供しています。

4.土砂崩れの警戒レベル別の避難行動|レベル4で全員避難!

気象庁・市区町村は、土砂崩れの危険度に応じて5段階の「警戒レベル」を発表しています。数字が大きくなるほど危険度が高まり、とるべき行動も変わります。

警戒レベル

発表される情報

とるべき行動

レベル1

早期注意情報(気象庁)

災害への心構えを高める

最新の気象情報を確認し始める

レベル2

大雨注意報等(気象庁)

ハザードマップで避難場所・経路・タイミングを再確認する

レベル3(高齢者等避難)

大雨警報(土砂災害)等(気象庁)

高齢者・障がい者・乳幼児連れなど時間がかかる方は危険な場所から避難を始める

他の人も危険を感じたら自主避難する

レベル4(避難指示)

土砂災害警戒情報等(気象庁・都道府県)

危険な場所から全員避難する

対象地域の人は速やかに避難場所へ向かう

レベル5(緊急安全確保)

大雨特別警報等(気象庁)、緊急安全確保(市区町村)

災害がすでに発生・切迫している可能性が高い

避難所への移動が危険な場合は、建物内の上階や崖から離れた部屋に移動して命を守る

参考:気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」

「警戒レベル4が出たら全員が避難」が最大のポイントです。警戒レベル5は、すでに危険が差し迫っているか災害が発生している可能性が高く、安全に避難できない状態になることも。身を守るためにも、極力レベル4までに避難を完了させましょう。

また、山鳴り・濁った水・斜面のひびなど土砂崩れの前兆サインを察知したら、行政の指示を待たずに自分の判断で動いてください。「指示が出るまで待つ」意識では、助かるタイミングを逃してしまうかもしれません。

5.災害による停電対策に!Jackeryポータブル電源で安心の避難生活を

災害による停電対策に!Jackeryポータブル電源で安心の避難生活を

土砂崩れが起きると電力設備が損傷し、停電が長期化することがあります。山間部や住宅地の端では、復旧まで数日以上かかる例もあります。

ポータブル電源は、USBだけでなく家庭用コンセントと同じAC出力を備えた持ち運び式バッテリーです。出力に応じて、電子レンジや電気ケトル、扇風機、エアコンなどの家電を動かせます。数あるポータブル電源の中でも、Jackeryが防災で選ばれる理由は次のとおりです。

 国内ポータブル電源・ソーラーパネル市場で7年連続、売上高・販売台数No.1

 自然放電は年5〜10%ほどで、1年保管後もすぐ使える

 リン酸鉄リチウムイオン電池採用で熱安定性が高い

 充放電約4,000回以上で、長期使用に対応する

 小型から大容量まで用途に応じたモデルがある

土砂崩れリスクのある地域に住んでいるなら、停電が起きる前に用途に合ったモデルを選び、今のうちに備えておきましょう。


まとめ

土砂崩れは「がけ崩れ」「土石流」「地すべり」の3種類に分けられ、大雨時に急激に発生することが多い災害です。全国で約525,000にのぼる危険箇所があり、毎年1,500件前後の被害が起きています。国レベルの対策の取り組みも進んでいますが、個人レベルでの自衛も必須です。

個人でできる対策として、まずはハザードマップで自宅のリスクを確認しましょう。そのうえで、非常用持ち出し袋・土嚢の準備、擁壁の点検など日頃の備えを整えてみてください。また、停電への備えとしてJackeryのポータブル電源を用意しておけば、避難中や停電時の生活をしっかり支えてくれます。

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