1.防災士資格試験の難易度|合格率90%超でほとんどの人が合格

防災士の試験は、特別な知識がなくても研修と教本をしっかり勉強すれば合格できます。例年90%以上が合格しており、ほとんどの人が狙える資格です。合格率や試験内容について、順に確認していきましょう。
①2024年度合格率は91.8%|ほとんどの人が一発で合格している
2024年度の防災士資格取得試験合格率は約91.8%でした。いずれも9割を超えており、受験者の大半が一発で合格しています。過去の合格率の推移をまとめると以下のとおりです。
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年度 |
合格率 |
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2024年度 |
約91.8% |
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2023年度 |
約92% |
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2022年度 |
約91% |
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2020年度 |
約87% |
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2019年度 |
約89% |
参考:日本防災士機構
2019年に合格基準が引き上げられた影響で2019〜2020年度はやや低めとなっていましたが、その後は90%超の水準で安定しています。防災士は比較的取りやすい資格といえるでしょう。
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②試験内容|3択式30問で8割以上正解すれば合格
試験は3択式で30問出題され、80%以上の正答で合格となります。合格ラインは30問中24問以上の正解です。試験時間は50分で、マークシート方式なので記述は一切ありません。出題範囲は「防災士教本」の内容全体で、主なテーマは以下のとおりです。
● 地震・津波・気象災害・土砂災害の仕組み
● ハザードマップの活用・避難情報の判断
● 家庭・地域での防災対策と備蓄
● 行政の災害対応と危機管理
● 自主防災活動・地区防災計画
● 応急手当・救命救急の基礎
後ほど詳しく資格取得までの流れを解説していますが、試験は防災士養成講座終了後の同日に行われます。教本と試験対策ブックをしっかり読み込んでおけば十分に対応できる内容です。
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③勉強時間の目安|1日1〜2時間を10日〜2ヶ月程度
一般的に1日2時間、10日間程度の学習とレポートの作成時間が必要だと言われています。もちろん防災の基礎知識がある方はもっと短い時間で十分でしょう。防災士の資格を取るまでの、一般的な勉強の流れは次のとおりです。
1. 事前に届く「防災士教本」を通読する
2. 履修確認レポートを作成・提出する(※研修初日に提出するレポート)
3. 「試験対策ブック」の模擬問題で仕上げる
試験対策ブックには模擬試験が2回分含まれており、繰り返せば出題の傾向がつかめます。過去問は公開されていないため、教本と対策ブックが主な学習ツールです。
④試験に落ちる人はいる?不合格になる理由
合格率90%超と言っても、不合格になる人が1割近くいます。日本防災士機構のFAQにも「不合格だった場合、再受験は可能ですか」という質問への回答が掲載されており、落ちる人が存在するのは事実です。不合格になってしまう主な理由は以下のとおり。
● 教本をほとんど読まずに試験に臨んだ
● 試験対策ブックを使わず、内容の理解が浅いまま受験した
● 研修を集中して受講せず、内容が頭に入っていなかった
ただし、不合格でも研修を修了した人は再受験できます。しかも、再受験は無料です。再試験に向けて改めて学習教本と対策ブックで学習すれば、合格できる可能性は十分あるでしょう。
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2.防災士の資格取得の流れ|4つのステップで取得できる

防災士の取得には以下4つのステップが必要です。
● 研修講座の受講
● 資格取得試験の受験
● 救命講習の受講
● 認証登録申請
それぞれどんな内容か順に確認しましょう。
①受験資格|とくに制限なし
防災士に年齢制限はありません。試験の内容や救急救命講習があることから成人を想定した資格ではあるものの、小学生の取得例もあります。
国籍などの制限もありませんが、研修・試験・救急救命講習はすべて日本語です。実質的に日本語を使えるのが条件となっています。
②ステップ1|防災士養成研修講座を受講する(2日間)
日本防災士機構が認証した研修機関で、2日間の集合研修を受けます。研修では全21講目のうち12講目以上を履修し、受講しなかった講目は履修確認レポートを提出して補います。レポートは研修初日に提出するため、研修が始まる前に自宅で作っておかなければいけません。
研修機関は自治体・大学・民間法人の3種類があります。どこで受講するかで費用が変わるため、後述の費用もあわせて確認してください。
③ステップ2|防災士資格取得試験を受ける(50分・30問)
研修最終日には、同じ会場でそのまま試験が行われます。3択式30問・80%以上で合格です。別日に改めて会場に行く必要はありません。
試験結果は約2週間後に日本防災士機構から郵送で通知されます。
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④ステップ3|救急救命講習を受講する(3時間以上)
試験合格後、消防署や日本赤十字社などが主催する救急救命講習を受け、修了証を取得します。内容は「普通救命講習Ⅰ」と同等で、心肺蘇生法・AEDの使い方が中心です。研修機関によっては、2日間の研修内に救命講習が含まれているため、別途受講しなくてよい場合もあります。
なお、防災士の認証登録申請時には5年以内に発行された終了証を提示するのが条件です。以前に消防署などで取得した修了証があれば、それを流用できる場合があります。ただし、防災士ホームページの「日本防災士機構が防災士認証要件として認めている主な救急救命講習等一覧」に記載がある講習で取得した終了証に限るので、あらかじめ確認しましょう。
⑤ステップ4|認証登録申請をする
研修修了・試験合格・救命講習修了の3つの条件が揃ったら、日本防災士機構に認証登録申請を行います。試験後にそのまま申請するか、後日に簡易書留で防災士研修センターまで必要書類を送ってください。いずれの場合も、必要な書類は以下のとおりです。
● 写真2枚:事前に用意する
● 救急救命講習の修了証の両面コピー:事前に用意する
● 防災士認証登録申請書:研修当日に渡される
書類に不備がなければ「防災士認証状」と「防災士証カード」が翌月末までを目安に届きます。なお、防災士の資格は更新不要の終身資格です。一度取得してしまえば、更新の手続きなどは必要ありません。
3.防災士の資格取得にかかる費用

防災士の取得費用は、どの研修機関を選ぶかで大きく変わります。費用の全体像を把握してから申し込みを検討しましょう。
①防災士研修センターの場合|総額63,800円
防災士研修センターは日本防災士機構が認証する民間の研修機関です。テキスト代・受験料・認証登録料の納付まですべて込みで手続きを代行してくれるため、手間なく取得できます。費用の総額は63,800円で、内訳は以下のとおりです。
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項目 |
金額 |
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研修講座受講料 |
50,728円 |
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消費税 |
5,072円 |
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資格取得試験受験料 |
3,000円 |
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資格認証登録料 |
5,000円 |
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総額 |
63,800円 |
②自治体主催の場合|3〜5万円程度で取得できる
都道府県や市区町村が主催する研修に参加すれば、民間機関より費用を抑えられます。自治体や大学などでの受講はテキスト代・受験料・認証登録料を含めて3万円〜5万円程度、民間法人での受講が6万円程度が目安です。ただし、自分での申請・納付が必要になるので注意してください。
また、自治体主催の研修は定員が限られており、抽選になることもあります。日本防災士機構の公式サイトから研修機関の一覧を確認し、早めに申し込みましょう。
③助成金制度を活用すれば費用を抑えられる
防災士資格取得費用・防災士教本代・受験料・認証手続料について、一定条件のもとに住民に対して費用の一部または全額を助成している自治体があります。たとえば東京都では千代田区・立川市が助成を実施している自治体です。
自治体によっては全額補助のケースもあります。受験の前に、まずはお住まいの自治体に助成制度があるか、日本防災士機構の「自治体による資格取得への助成」ページで確認しましょう。
ただし掲載されていない自治体でも助成を実施していることがあります。掲載がない場合は、直接お住まいの自治体の防災関連窓口に問い合わせてみてください。
④学割や特例制度もある
防災士研修センターでは学生割引制度があり、申込時点で25歳以下で高等学校・専門学校・大学・大学院などに在学中の場合、受講料が割引されます。2026年3月現在、割引額は以下のとおりです。
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項目 |
金額 |
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通常の受講料 |
63,800円 |
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割引額 |
▲25,300円 |
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割引後の受講料 |
38,500円 |
また、消防士・警察官など特定の職業の方は特例規定の対象となり、研修の一部が免除される場合があります。対象となる方は以下のとおりです。
● 警察官(巡査部長以上、退職者を含む)
● 消防吏員(退職者を含む)
● 消防団員(分団長以上、退職者を含む)
● 自衛官(3曹以上、退職者を含む)
● 赤十字救急法救急員(有効期限内の認定証が必要)
該当する方は日本防災士機構公式サイトの「特例各種ご案内」ページで特例の詳細を確認してみてください。
4.そもそも防災士資格とは?国家資格ではなく民間資格!
防災士の資格の概要を整理します。取得を検討している方は、まず「どんな資格なのか」を正しく理解しておきましょう。
①防災士は民間資格|日本防災士機構が認証
防災士は国家資格ではありません。認定NPO法人日本防災士機構が認証する民間資格で、「自助・共助・協働」を原則として、社会のさまざまな場で防災力を高める活動が期待されます。防災士の主な役割は以下のとおりです。
● 地域の防災訓練・避難訓練の企画・実施
● 防災知識の普及・啓発活動
● 災害時の避難誘導・避難所開設の支援
● 企業のBCP策定・社員向け防災教育への参画
防災士になっても特別な法的な権限が与えられるわけではありません。地域・職場・家庭の防災力を高めるリーダーとしての活動が期待される資格です。
②防災士の登録者数|全国で約352,527人(2026年2月末時点)
2025年12月末時点での防災士認証登録者の累計は342,831人で、年々増加中です。

能登半島地震などの相次ぐ災害を受けて防災意識が高まっており、受講者数とともに登録者は増加傾向にあります。
5.「防災士資格は役に立たない」の噂は本当?就職・年収への影響
「防災士を取っても意味がない」という声も一部あります。結論から言うと、防災士資格を取っても就職が格段に有利になるわけではありませんが、資格を活かせる職業は多くあります。就職や年収への実際の影響を見てみましょう。
①就職に直結する資格ではない|履歴書には書ける
正直に言えば、防災士だけで就職・転職が有利になるケースはほとんどありません。防災関係の仕事でも「必須資格」として扱われることはなく、採用の決め手にはなりにくいのが実態です。
ただし、履歴書の資格欄には書けます。防災への関心と行動力をアピールできるため、「防災担当を任せたい」と考えている企業の目には留まりやすくなります。資格単体より、地域の防災活動への参加実績と組み合わせると説得力が増すでしょう。
②防災士を活かせる職業|自治体職員・消防団・企業の防災担当者
防災士の知識がとくに活きやすい職種は以下のとおりです。
● 自治体の防災担当部署・危機管理課
● 消防団・自主防災組織のリーダー
● 企業の総務・安全管理・BCP担当
● 介護施設・福祉施設・医療機関の防災担当
● 学校・保育施設の防災教育担当
医療機関や福祉施設での評価向上や、自治体や防災関連企業への就職・転職時のアピールポイントになる場合があります。防災の知識を本業と組み合わせることで、資格の価値が高まるはずです。
③年収への影響|資格手当がつく企業もある
まだ決して多くはありませんが、防災士の資格手当を設ける企業はあります。とくに医療・介護・建設・不動産など、日常的に防災対応が求められる業種では評価されやすいです。
ただし「ただ取ったから給料が上がる」という性質の資格ではありません。「防災の知識を持った人材」として社内で役割を担い、実績が評価につながる、という流れが一般的でしょう。
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6.防災士として活動するなら必需品!Jackeryポータブル電源で停電対策
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まとめ
防災士試験の合格率は例年90%超で、研修と教本をしっかり学べばほとんどの人が一発で合格できます。試験は3択式30問・8割以上で合格という設定で、特別な予備知識がなくても対応できる難易度です。取得の流れは「研修受講→試験→救命講習→認証申請」の4ステップで、費用は研修機関によって3〜6万円程度が目安です。
就職に直結する資格ではありませんが、地域や職場の防災活動に関わる場面では知識・信頼ともに役立ちます。自治体の助成制度や学割制度を活用すれば費用を抑えられるため、まず自分の住む自治体の補助状況を調べてみましょう。