1.地震の震度には何段階あって、どのように計測されるのか?

地震の震度がいくつの段階に分かれているのか、どのような方法で決められているのかは意外と知られていません。ここでは震度が何段階に区分されているのかを整理したうえで、現在の震度がどのように計測されるのか解説します。
①気象庁が「震度0」から「震度7」までの10段階の階級を設定している

引用:気象庁「震度について」
地震の震度は、気象庁が定める基準にもとづき「震度0」から「震度7」までの段階で表されます。また震度5と震度6には「弱」「強」が設けられているため、震度の区分は全部で10段階になります。
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②震度は「計測震度計」で測定される
気象庁が発表している震度は、全国に設置された「計測震度計」と呼ばれる観測機器で測定されています。かつては体感および周囲の状況から震度を推定していましたが、平成8年(1996年)4月以降は計測震度計で自動観測しています。
なお、地震情報などにより発表される震度階級は、観測点における揺れの強さの程度を数値化した計測震度から換算したものです。
2.気象庁の震度階級関連解説表とは?震度7より上がらない理由も解説
震度の数字だけでは、実際にどの程度の揺れなのかを具体的にイメージしにくいこともあります。そこで参考になるのが、気象庁が公表している「気象庁震度階級関連解説表」です。
ここでは震度階級関連解説表とはどのようなものかとともに、震度7より上がらない理由も解説します。
①10段階の震度ごとに起きる具体的な現象や被害状況の目安をまとめた表
「気象庁震度階級関連解説表」とは震度0から震度7までの各段階で、周辺地域にどのような現象や被害が発生しやすいかを整理した公式資料です。震度の数字だけでは揺れの強さをイメージしにくい場合でも、この表を見ることで揺れの程度や生活に与える影響などを理解できます。
気象庁震度階級関連解説表には、震度ごとに以下の内容がまとめられています。
● 人の体感・行動
● 屋内や屋外の状況
● 木造住宅や鉄筋コンクリート造建物への影響
● 地盤や斜面の変化
● ライフライン・インフラへの影響
● 大規模構造物への影響
たとえば「人の体感・行動」や「屋内や屋外の状況」の震度ごとの目安は以下のとおりです。
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震度階級 |
人の体感・行動 |
屋内の状況 |
屋外の状況 |
|
0 |
人は揺れを感じないが、地震計には記録される。 |
- |
- |
|
1 |
屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。 |
- |
- |
|
2 |
屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。 |
電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる。 |
- |
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3 |
屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。 |
棚にある食器類が音を立てることがある。 |
電線が少し揺れる。 |
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4 |
ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。 |
電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。 |
電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。 |
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5弱 |
大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。 |
電灯などのつり下げ物は激しく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。 |
まれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路に被害が生じることがある。 |
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5強 |
大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。 |
棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。テレビが台から落ちることがある。固定していない家具が倒れることがある。 |
窓ガラスが割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止する車もある。 |
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6弱 |
立っていることが困難になる。 |
固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。 |
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。 |
|
6強 |
立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。 |
固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。 |
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。 |
|
7 |
固定していない家具のほとんどが移動したり倒れたりし、飛ぶこともある。 |
壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する建物がさらに多くなる。補強されているブロック塀も破損するものがある。 |
震度はあくまで震度計による観測値です。地盤や建物の状態によって、同じ震度でも被害が異なります。
関連記事:震度8はなぜない?存在しない理由と過去に起きた地震の事例・被害も紹介
②震度7は最大限の防災措置が必要なレベルのためこれ以上の設定がない
震度7に達した時点で被害が極めて深刻な段階に入り、防災上は最大級の対応が必要になります。そのため震度階級では震度7が最上位の区分として位置づけられており、震度7以上の設定はありません。震度7に達すると家具の転倒や建物被害などが非常に大きくなり、命を守る行動や最大限の防災対応が求められる状況になります。
関連記事:震度7はどれくらいの大きさ?過去に起きた震度7の被害事例や地震対策も紹介
3.震度の基準は昔とどこが変わった?おもな変更点を紹介

震度は現在「0〜7」の10段階で示されていますが、最初から今の形だったわけではありません。地震観測の方法や被害状況の分析が進むにつれて、震度階級は時代に合わせて見直されてきました。ここでは震度の基準がどのように変わってきたのか、おもな変更点を歴史的背景とともに紹介します。
①1949年(昭和24年)|震度7が制定された
現在の震度階級で最上位にあたる震度7が設けられたのは、1949年(昭和24年)です。1948年の福井地震で大きな被害が生じた際、従来の震度6だけでは被害の大きさを十分に表しきれない問題意識があったとされています。福井地震をきっかけに震度7(激震)が追加され、当時は「家屋倒壊率30%以上」などの目安が示されていたことが紹介されています。
②1996年4月(平成8年)|阪神・淡路大震災をきっかけに階級が細分化された
1996年の震度階級改定では、震度5と震度6がそれぞれ「弱」と「強」に細分化されました。阪神・淡路大震災をはじめとする大地震を経て、実際の被害の程度に大きな幅があることが課題として明らかになりました。震度5の地域でも家具の転倒が中心の場合もあれば震度6に近い深刻な被害が出る場合もあり、従来の区分では被害状況を十分に表しきれないケースがあったのがきっかけです。
こうした背景から震度は「5弱・5強」「6弱・6強」という区分が加わり、より実態に近い形で揺れの程度を伝えられるようになりました。
③1996年10月(平成8年)|体感による観測が廃止された
1996年には体感による観測が廃止され、震度は「計測震度計」による観測値をもとに発表される形へ統一されています。
かつて震度は気象台の職員など観測員が揺れを体感し、周囲の被害状況を参考にしながら階級表に当てはめて判定していました。しかしこの方法は観測員の主観に左右されやすく、震度情報を集めて発表するまでに時間がかかるという課題がありました。
こうした背景から、より客観的で迅速な震度発表を行うため無人でも観測できる震度計による計器観測の整備が進められた経緯があります。現在、震度情報は全国で同じ基準で比較できるようになっています。
4.地震の震度とマグニチュードの違い
地震を理解するうえでよく出てくる用語に「震度」と「マグニチュード(M)」がありますが、両者は意味するものがまったく異なります。ここでは、地震の震度とマグニチュードの違いを解説します。
①震度は「特定地点の揺れの強さ」マグニチュードは「地震のエネルギー」
震度とマグニチュードは同じ「地震の大きさ」を表す言葉のように見えますが、以下のとおり違いがあります。
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用語 |
震度 |
マグニチュード |
|
何を表すのか |
特定地点の揺れの強さ |
地震の規模・エネルギー |
|
数値の決まり方 |
観測地点ごとに決まる |
1つの地震に対して基本的に1つの値が与えられる |
|
ポイント |
同じ地震でも場所で変わる |
観測場所が変わっても基本は同じ |
この違いを押さえると「マグニチュードが大きいのに震度は小さい」といったニュースの見え方も整理できます。
関連記事:マグニチュードと震度の違いをわかりやすく解説!今すぐできる防災対策4選
②マグニチュードが1増えると、地震のエネルギーは32倍に
マグニチュードは、1増えるごとにエネルギーは約32倍になります。
以下は、代表的なマグニチュードの値と相対的なエネルギーの関係を示したものです。
※ここでのエネルギーは、マグニチュード4を1とした場合の相対的なエネルギーを表しています。
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マグニチュード |
地震エネルギー |
|
4.0 |
1 |
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5.0 |
32倍 |
|
6.0 |
約1,000倍 |
|
7.0 |
約32,000倍 |
|
8.0 |
約1,000,000倍 |
このようにマグニチュードは数値が少し違うだけでも、放出されるエネルギーが指数的に増えていきます。マグニチュードが「1」大きい地震は単に少し規模が大きいのではなく、地震そのもののエネルギーが大幅に異なることを意味します。
③「中地震」以上に相当する「マグニチュード5以上」が危険ラインの目安
一般的にマグニチュード5以上になると「中地震」と呼ばれる規模にあたり、揺れの強さや震源の深さなどによっては建物被害やライフラインへの影響が出るケースもあります。具体例は、以下のとおりです。
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発生年月日 |
震央地名(地震名) |
マグニチュード |
最大震度 |
人的・物的被害 |
|
令和6年(2024年)8月9日 |
神奈川県西部 |
5.3 |
5弱 |
・負傷者:3名 ・住家一部破損 :7棟 |
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令和5年(2023年)5月11日 |
千葉県南部 |
5.2 |
5強 |
・負傷者:8名 ・住家一部破損 :77棟など |
|
令和3年(2021年)10月6日 |
岩手県沖 |
5.9 |
5強 |
・負傷者:3名 ・住家一部破損 :1棟 |
|
平成31年(2019年)1月3日 |
熊本県熊本地方 |
5.1 |
6弱 |
住家一部破損 60棟 |
|
平成30年(2018年)6月18日 |
大阪府北部 |
6.1 |
6弱 |
・死傷者:6名 ・負傷者:462名 ・住家全壊:21棟 ・住家半壊: 483棟 ・住家一部破損 :61,266棟など |
このように、マグニチュードが同じでも被害の大きさは一律ではありません。震源の深さや距離、地盤条件によって揺れは大きく変わります。規模だけで安全・危険を判断するのではなく、震度情報とあわせて防災行動を考えましょう。
5.南海トラフ地震の震度分布と対策
南海トラフ沿いでは東海から九州西部にかけて震度6弱以上の強い揺れが及ぶ可能性があり、その地方で暮らす人々の日常やインフラにも影響が出ることが懸念されています。ここでは、南海トラフ地震の震度分布と対策を解説します。
①おもに東海~九州西部にかけて震度6弱以上に襲われる可能性大

南海トラフ地震が発生した場合、おもに東海地方から九州西部にかけて、震度6弱以上の強い揺れが及ぶ可能性が高いとされています。過去にもこの地域では大きな地震が連動して発生しており、広域に強い揺れをもたらしてきました。
対象地域では震度6弱以上の揺れが多くの地点で予想されており、都市部や沿岸部に暮らす人々は十分な備えをしておく必要があります。
関連記事:南海トラフ地震に備える|地震に必要な防災装備と知っておきたい対策や行動
②太平洋沿岸部では大きな津波も予想!対策必須

南海トラフ巨大地震では、揺れだけでなく津波も大きな被害をもたらす可能性があります。関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域で、満潮時には10メートル以上の大津波が襲来する可能性があるとされています。
最大津波高は地点によって差がありますが太平洋沿岸部では津波対策が必須であり、避難ルートの確保や浸水想定に基づいた防災計画を立てておくことが必要です。
関連記事:南海トラフ地震の津波シミュレーションまとめ|危ない県ランキングや対策
③大地震や大津波への対策、何をすればいい?
南海トラフ地震のような巨大地震では強い揺れに加えて津波や停電、断水など生活インフラへの影響が長期化する可能性があります。大地震や大津波が発生した場合を想定し、以下のような対策を事前にとっておきましょう。
● 家具・家電の転倒防止を徹底する
● 津波避難ルートを家族で共有する
● 非常食と飲料水を1週間分備蓄する
● 断水に備えて生活用水も確保する
● 通信手段を複数用意する
● 避難用持ち出し袋をすぐ持てる場所に置く
● 停電対策としてポータブル電源を確保する
できることから1つずつ準備しておくことが、防災対策につながります。なおポータブル電源とは、持ち運びが自由にできる蓄電池のことです。モバイルバッテリーより容量が大きくACコンセントで家電にも使えるため、停電対策を一段強化したい家庭に向いています。
6.「Jackery Solar Generator」があれば停電時も電源を自給自足できる
大地震による停電が発生して復旧まで時間がかかるとなると、以下のような不便が生じやすくなります。
● スマホが充電できず、情報収集や家族との連絡が途絶えたり
● 照明や扇風機・電気毛布などが使えず、体調管理に影響が出る
● 冷蔵庫が止まって、食料の管理が難しくなる

こうした状況に備えて準備しておくべきアイテムの1つが、ポータブル電源です。AC・USBなどの出力で複数機器に給電できるため、必要最低限の電気を確保できます。そしてソーラーパネルとセットで使えるポータブル電源「Jackery Solar Generator」があれば、復旧が遅れても太陽光充電によって充電切れの不安を減らせます。
なお停電対策のアイテムとして「Jackery Solar Generator」のおすすめできる点は、以下のとおりです。
● コンパクトな形状で持ち運びやすく、設置場所や保管場所を自由に選べる
● 震度7の揺れにも対応できる耐震性能がついている
● 自然放電が少なく1年間で5%しか減らないので長期保管がしやすい
停電時に電源を自給自足できる「Jackery Solar Generator」を防災対策として1台備えておくことが、いざという時の安心につながります。
7.地震の震度に関するよくある質問
地震の震度に関するよくある質問とその回答をまとめました。
①地震の震度が1段階上がると揺れは何倍になりますか?
地震の震度が1段階上がると揺れは何倍になるかは、明確な基準がありません。震度は揺れの強さを段階的に表した指標であり、マグニチュードのように「1上がるとエネルギーが約32倍になる」といった明確な倍率が設定されている尺度ではないためです。気象庁の震度階級関連解説表を参考にすると、震度ごとの影響を具体的に理解できます。
②「推定震度」と「確定震度」は違う?
違います。推定震度と確定震度のおもな違いは、以下のとおりです。
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項目 |
推定震度 |
確定震度 |
|
定義 |
観測データをもとにした暫定的な値 |
実際に計測震度計ではかった正確な数値 |
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発表タイミング |
地震発生直後 |
速報後にデータを精査・解析した後 |
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おもな用途 |
災害の全体像を迅速に伝えること |
今後の防災対策と正確なデータの収集 |
推定震度は速報段階の目安であり、確定震度はあとから整理された正式な震度と理解するとよいでしょう。
③なぜ海外と日本で震度の基準が違うの?
海外と日本で震度の基準が違うのは、地震の揺れを表す指標の仕組みや運用方法が国によって異なるためです。日本は世界的に見ても地震が多いことから、独自の震度階級を採用しています。そのため海外と日本では震度の基準が一致しません。
④震度ごとの停電・断水リスクは?
停電や断水は震度が大きくなるほど発生しやすくなる傾向があり、気象庁の震度階級関連解説表では以下のように示されています。
● 震度5弱程度以上の揺れがあった地域では、断水、停電が発生することがある
● 震度6強程度以上の揺れとなる地震があった場合には、広い地域で、ガス、水道、電気の供給が停止することがある
地震の被害は揺れだけで終わらず、その後の生活に大きな影響を及ぼします。飲料水の備蓄や電源確保など、日頃からの備えを進めておきましょう。
まとめ
地震の震度は0〜7の10段階で示され、段階によって体感や被害の目安が大きく変わります。そして震度階級関連解説表を参考にすれば、揺れの影響や停電・断水リスクも具体的に理解できます。
大地震ではライフライン停止が長期化する可能性もあるため、避難経路の共有や非常食の確保などの対策を日頃から行っておきましょう。電源を確保するためにはソーラーパネルで自給できる「Jackery Solar Generator」を備え、家族の安心も一緒に手にしてください。