1.ポータブル電源で溶接機の保護回路が落ちる原因

電源が落ちる直接の原因は、ポータブル電源の保護回路が誤作動することです。ただし、その背景には溶接機の「突入電流」という仕組みがあります。
- 突入電流|アークを飛ばす瞬間、消費電力が一気に数倍まで跳ね上がる
- 保護回路の誤作動|ポータブル電源がこの一瞬の電流を異常だと判断し、電源を止めてしまう
保護回路が落ちてしまう原因を順番に見ていきましょう。
①アーク放電の瞬間に定格消費電力の数倍の突入電流が流れる

溶接機は、アーク(溶接棒と金属の間に発生する電気の火花)を飛ばす瞬間だけ、消費電力が普段の数倍にはね上がります。これが突入電流です。
たとえば普段は1.3kWしか使わない溶接機でも、アークを飛ばす一瞬は3kW〜4kWくらいまで跳ね上がることがあります。ただし、ずっとその大きな電力を使い続けるわけではありません。あくまで、アークが発生する一瞬だけの話です。
②ポータブル電源の保護回路は突入電流を過負荷と判断して自動遮断してしまう

ポータブル電源には、決められた電力を超えると自動で止まる安全機能がついています。溶接機がアークを飛ばす瞬間の「突入電流」がこの上限を超えると、ポータブル電源は「異常が起きた」と判断し、電源を止めてしまいます。出せる電力にあまり余裕がないポータブル電源ほど、この安全機能が働きやすいです。
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2.溶接機をポータブル電源で動かすために必要なスペック

保護回路の誤作動は、ポータブル電源選びの段階で対策できます。確認しておきたいのは以下の3点です。
- 定格出力:100V用の家庭向け溶接機は1.3kW〜2.6kWが目安で、これを上回る出力を選ぶ
- 瞬間最大出力:定格入力の3倍程度を目安に、突入電流に耐えられる余裕を確認する
- 対応電圧:200Vの溶接機を使うなら、100V/200V両対応のモデルを選ぶ
1つずつ、選び方のポイントを見ていきましょう。
①定格出力は溶接機の定格入力を上回るモデルを選ぶ

溶接機の本体や取扱説明書には、「定格入力」として消費電力の数値が書かれています。100V用の溶接機は、1.3kW〜2.6kW(1,300W~2,600W)程度のモデルが多いです。
ポータブル電源の定格出力がこの数値より低いと、そもそも溶接機が動きません。溶接機の定格入力を確認し、それより出力の大きいポータブル電源を選びましょう。
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②瞬間最大出力(サージ出力)が溶接機の突入電流に耐えられるかを確認する

定格出力だけを見て選ぶと、アーク(火花)を飛ばした瞬間に電源が止まってしまうことがあります。ポータブル電源の「瞬間最大出力」または「サージ出力」という数値が、溶接機の突入電流より大きいかどうかを確認しましょう。
突入電流の正確な数値は、メーカーに聞くか実際に測らないと分かりません。目安として、定格入力の3倍くらいの瞬間最大出力があるモデルを選んでおくと安心です。
③200V溶接機には200V出力対応のポータブル電源を選ぶ

溶接機には100V専用のものと、100V・200Vどちらでも使えるものがあります。200Vのほうが出力が安定し、太い溶接棒も使用可能です。
ただし、ポータブル電源は100V出力のみのモデルが多く、200Vに対応しているモデルは限られます。200Vの溶接機を使いたいなら、100Vと200Vの両方に対応したポータブル電源を選びましょう。
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3.溶接機に対応できる可能性があるポータブル電源

定格出力・瞬間最大出力がともに大きく溶接機に対応する大容量モデルとなると、選択肢は限られます。ここでは、瞬間最大出力が6,000W以上で、溶接機を動かせる可能性があるJackeryの2機種を紹介します。
- Jackery ポータブル電源 3600 Plus|100V溶接機の消費電力に対応しつつ、家中の家電もまとめてまかなえる汎用モデル
- Jackery ポータブル電源 5000 Plus|200V溶接機にも対応し、電動工具を使うDIY作業全般にも使える最上位モデル
7年連続で国内ポータブル電源の年間売上No.1という実績もあり、電動工具などをはじめとする負荷の大きい使い方にも利用されています。以下で詳しく見ていきましょう。
①Jackery ポータブル電源 3600 Plus

一般的な100V溶接機を動かしたいなら「Jackery ポータブル電源 3600 Plus」を検討してみましょう。定格出力3,000Wは、多くの家庭用溶接機の消費電力を上回っています。瞬間最大出力も6,000Wと大きいため、アークを飛ばす瞬間の突入電流にも対応しやすいです。
溶接以外にも冷蔵庫や電子レンジ、エアコンなど、家中の家電をまとめてまかなえる3,584Whの大きな容量があります。さらに、専用の拡張バッテリーで容量を21,500Whまで増やすことも可能です。工房やガレージに置いておけば、溶接作業だけでなく停電時の備えとしても活躍するでしょう。なお、実際に使う溶接機との相性は、念のためメーカーに確認してみてください。
| 製品スペック詳細 | Jackery ポータブル電源 3600 Plus |
| 容量 | 3584Wh(単体で最大21.5kWhまで拡張可能) |
| 定格出力 | 3000W(瞬間最大6000W)(50hz/60hz両方対応) |
| 充電速度 |
ACコンセント充電:3時間 ソーラーパネル充電:6.5時間(800W入力時) シガーソケット充電:40時間 ハイブリッド充電(AC+ソーラー充電):最速1.8時間 |
| 出力ポート数 |
AC出力×5 USB-A×2(最大18W) USB-C×2(それぞれ最大100W) |
| 家電への 稼働時間目安(例) |
ディスクグラインダー(400W-800W):約5.8時間 電動ドリル(400W-800W):約5.8時間 草刈機(1100-2200W):約3.6時間 高圧洗浄ガン(1400W):約2.5時間 電子レンジ(960~1160W):約2.6時間 スマホ(29W):約130回 電気バーベキューグリル(1600-1700W):1.8時間 エアコン(900W):約3.3時間 |
| 充放電サイクル数 |
6,000回 ※6000回充放電後も工場出荷時の70%の容量を維持 |
| サイズ&重量 | 約 375 × 317 × 229 mm(約35kg) |
| 参考価格 | 359,800円(セール時は25万円以下になる場合あり) |
②Jackery ポータブル電源 5000 Plus

200Vの溶接機や、消費電力の大きい100V溶接機まで使いたいなら「Jackery ポータブル電源 5000 Plus」がおすすめです。100Vと200Vのどちらにも対応しているため、200V専用の溶接機もそのままつなげます。
定格出力6,000W、瞬間最大出力は12,000Wと、3600 Plusの倍です。アークを飛ばす瞬間の突入電流にも、より余裕を持って対応できます。丸のこ・インパクトドライバーなど電動工具を使うDIY作業全般でも活躍するモデルです。実際に使う溶接機との相性は、こちらもメーカーに確認しておきましょう。
| 製品スペック詳細 | Jackery ポータブル電源5000Plus |
| 容量 | 5,040Wh(最大30,240Whまで拡張可能) |
| 定格出力 | 6,000W (瞬間最大12,000W) |
| 充電速度 |
ACコンセント充電:4.1時間 ソーラーパネル400W入力:約17.5時間 ソーラーパネル 1200W 入力:約5.5時間 ハイブリッド充電:1.4時間 PV高圧充電(最大4000W):約1.5時間 PV低圧充電(最大1200W):約5時間 |
| 出力ポート数 |
AC出力×4(最大20A) USB-A×2(最大18W) USB-C×2(最大100W) DC出力×1:12V⎓10A |
| 家電への 稼働時間目安(例) |
ディスクグラインダー(400W-800W):約8時間 電動ドリル(400W-800W):約8時間 草刈機(1100-2200W):約5時間 高圧洗浄ガン(1400W):約3.5時間 電子レンジ(960~1160W):約3.4時間 冷蔵庫(55W):75時間 電気毛布(55W):約50時間 電気ケトル(850w):5時間 炊飯器(330W):10時間 |
| 充放電サイクル数 |
4,000回 ※4000回充放電後も工場出荷時の70%の容量を維持 |
| サイズ&重量 | 420×390×635mm(60kg) |
| 参考価格 | 799,000円(セール時は50万円以下になる場合あり) |
まとめ
ポータブル電源で溶接機が使えない原因の多くは、アークを飛ばす瞬間の電流を保護回路が異常だと判断してしまうことです。定格出力だけでなく、瞬間最大出力に余裕のあるモデルを選びましょう。
Jackery(ジャクリ)の「Jackery ポータブル電源 3600 Plus」や「Jackery ポータブル電源 5000 Plus」のような大容量モデルなら溶接機にも使える可能性があります。ただし溶接機ごとに定格入力や突入電流には違いがあるため、購入前にメーカーへ確認しておきましょう。
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