1.エルニーニョ現象とは?仕組みや発生時期・原因を解説

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の海面水温が平年より高い状態が1年ほど続く現象です。世界各地に異常気象をもたらし、日本の天候にも影響を与えます。
スペイン語では「El Niño」と表記し、スペイン語で「男の子」や「幼子イエス・キリスト」を意味する言葉です。
エルニーニョ現象が発生した年は冷夏や暖冬につながりやすく、農作物の不作といったデメリットが生じるケースもあります。
エルニーニョ現象を理解するうえで、押さえておきたいポイントは次の3つです。
- 起こる仕組み:暖かい海水が東へ広がる
- 発生する原因:貿易風の弱まりが引き金になる
- 発生時期:数年に一度春から冬にかけて発生しやすい
仕組み・原因・発生時期を押さえておけば、ニュースで取り上げられた際にも内容を理解しやすくなります。
①エルニーニョ現象の起こる仕組み|暖かい海水が東へ広がる

エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の東側(南米沖)で、海面水温が平年より高くなる現象です。平常時は西側に集まっている暖かい海水が東へ広がり、南米沖まで高い水温の海域が拡大します。
海面水温の分布が変化すると、雨雲が発生しやすい場所や大気の流れにも変化が生じます。その影響は太平洋周辺だけにとどまらず、遠く離れた日本を含む世界各地の天候に及ぶ点が特徴です。
②エルニーニョ現象が発生する原因|貿易風の弱まりが引き金
エルニーニョ現象発生の引き金となるのは、太平洋赤道域を吹く東風(貿易風)の弱まりです。平常時は、この東風が暖かい海水を西のインドネシア付近へ押し寄せています。
何らかのきっかけで東風が弱まると、暖かい海水を西側にとどめる力も低下します。東風の弱まりと海水温の上昇は、エルニーニョ現象を発達させる大きな要因の一つです。
③エルニーニョ現象の発生時期|数年に一度の春から冬が多い
エルニーニョ現象は、数年に一度の間隔で発生します。ただし一定の周期で起こるわけではなく、間隔にばらつきがあるのが特徴です。
多くの場合、エルニーニョ現象は春から夏にかけて始まり、冬をまたいで1年ほど続きます。気象庁は、監視海域の海面水温が基準値より0.5℃以上高い状態が6か月以上続いた場合に、エルニーニョ現象が発生したと判断します。
エルニーニョ現象の発生状況は、気象庁が毎月公表する「エルニーニョ監視速報」で確認可能です。最新情報を知りたい場合は、気象庁の発表を確認しておきましょう。
2.エルニーニョ現象とラニーニャ現象との違い

エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、太平洋赤道域で起こる正反対の現象です。どちらも海面水温の変化をもたらし、世界の気候に影響を与えます。
2つの現象における違いは、主に次のとおりです。
- エルニーニョ現象:太平洋赤道域の海面水温が高くなる
- ラニーニャ現象:太平洋赤道域の海面水温が低くなる
大きな違いは海面水温で、エルニーニョ現象は平年より高く、ラニーニャ現象は低くなります。海水温が上がるか下がるかで、日本の天候変化も逆になるといった形です。
①エルニーニョ現象|太平洋赤道域の海面水温が高くなる
エルニーニョ現象は、東風(貿易風)が弱まり、太平洋赤道域の東側で海面水温が高くなる現象です。日本では冷夏や暖冬に傾きやすくなり、夏は気温が上がりにくく、日照が不足しがちな年になるでしょう。
冬は寒さがゆるみ、暖かくなる傾向が見られます。世界的にも干ばつや大雨など、各地で異常気象が起こりやすくなる点に注意が必要です。
②ラニーニャ現象|太平洋赤道域の海面水温が低くなる
ラニーニャ現象は、東風(貿易風)が強まり、太平洋赤道域の東側で海面水温が低くなる現象です。エルニーニョ現象とは逆に、日本の気温は猛暑や厳冬に傾きやすくなります。
夏は気温が上がって暑くなり、冬は寒さが厳しくなる年が目立ちます。近年は、記録的な猛暑の年にラニーニャ現象が重なる例も見られました。
子ども向けに説明するなら「太平洋の海が、いつもより暖かいか冷たいかの違い」と伝えるとわかりやすいでしょう。
3.2026年現在のエルニーニョ現象情報まとめ

気象庁は2026年8月10日、エルニーニョ監視速報を発表しました。2026年春から続くエルニーニョ現象が、冬にかけて続く見込みとされています。
7月のエルニーニョ監視海域の海面水温は、平年の基準値より2.5℃高くなりました。7月としては、1950年以降で1997年と並ぶ最も大きい値です。
冬にかけては基準値との差が+4.0〜5.0℃に達する可能性があり、過去最大を更新するおそれも指摘されています。太平洋赤道域では、日付変更線付近で雨雲を生む対流活動が活発になり、東風(貿易風)の弱まりも続いています。大気と海洋の両面で、エルニーニョ現象の特徴が強まっている状況です。
今後さらに勢力が強まれば、世界各地の異常気象や日本の天候への影響が大きくなる可能性があります。今後の見通しは毎月更新されるため、最新の情報を気象庁の発表で確認しておきましょう。
4.エルニーニョ現象による世界への影響

エルニーニョ現象が発生すると、海面水温や大気の流れが変化し、世界各地の気温や降水量に影響が出ます。気象庁の統計によると、北半球の夏には中米から南米、ヨーロッパ中部などで高温となる傾向があります。
降水量については、太平洋の熱帯域やフランスを含むヨーロッパ西部で多くなりやすいです。反対に、東南アジア南部からオーストラリア東部では、雨が少なくなる傾向があります。
エルニーニョ現象によってもたらされる影響は、世界各地で一様ではありません。高温や大雨、少雨によって農作物の生育や水資源などに影響が及び、地域によっては経済活動にも波及する可能性があるでしょう。
関連人気記事:【最新版】災害時になくて困ったもの11選!備えある生活のための防災グッズ完全ガイド
5.エルニーニョ現象で日本はどうなる?季節別の注意点と対策方法

エルニーニョ現象が発生すると、日本では季節によって気温や雨の降り方に変化が出やすくなります。どのような天候になりやすいのかを知っておけば、季節ごとに必要な備えもしやすくなるでしょう。
日本への主な影響を、以下3つのシーズンに分けて解説します。
- 夏:冷夏で気温が上がりにくく雨が多くなりやすい
- 冬:暖冬で寒さがゆるみやすい
- 台風シーズン:大型で強い台風が接近しやすい
季節ごとに起こる影響だけでなく、取っておくべき対策も順に確認しておきましょう。
①夏|冷夏で気温が上がりにくく雨が多くなりやすい

エルニーニョ現象が起こると、夏は太平洋高気圧の張り出しが弱まりやすくなります。気温が上がりにくくなるため、日照不足や長雨につながる場合もあるでしょう。
冷夏の年は、農作物が育ちにくく、体調を崩しやすいシーズンになる可能性が高まります。急な天候の変化に備え、雨具や羽織るものを用意しておくのがおすすめです。
日照が少ない年ほど、天気予報をこまめに確認して洗濯や外出の予定を立てましょう。農作物の価格が上がる年もあるため、家計への影響にも目を向けておくのが大切です。
関連人気記事:大雨への備え6選!家庭で備えるものや避難時に気をつけることも解説
②冬|暖冬で寒さがゆるみやすい

エルニーニョ現象の冬は、シベリアからの寒気が入りにくく、暖冬に傾きやすくなります。寒さがゆるむ一方で、暖房の需要が読みにくくなる点に注意が必要です。
スキー場など多くの雪を必要とする地域では、雪不足の影響が出る年もあるでしょう。ただし暖冬でも一時的に強い寒気が入り、大雪や急な冷え込みが起こるケースがあります。
エルニーニョ現象が起きている年は、突然の寒暖差に対応できるよう、防寒着を幅広く備えておきましょう。たとえ暖冬の年でも、水道管や路面の凍結が起こる地域があるため油断は禁物です。
関連人気記事:冬はバーベキューで温まろう!おすすめメニューや寒さ対策グッズ・服装も解説
③台風シーズン|大型で強い台風が接近しやすい

エルニーニョ現象が起こると、台風の発生位置が平年より南東に寄りやすくなります。日本から遠い海上で生まれるため、接近するまでに海上で発達しやすいのが特徴です。
結果として、日本には大型で強い勢力の台風が近づきやすくなります。発生数そのものが増えるとは限らないものの、一つひとつの威力が強まる点に注意が必要です。
台風シーズンが来る前に、必ずハザードマップを確認しておきましょう。停電や断水に備えて、携帯トイレやポータブル電源などの防災グッズを準備しておくのも大切です。
関連人気記事:関東の台風シーズンはいつ?ピーク時期や過去の被害事例・対策を解説
6.エルニーニョ現象に備えてJackeryのポータブル電源を準備しておこう

エルニーニョ現象の年は、台風や大雨などの自然災害が発生しやすくなります。自然災害によって停電が発生した場合、復旧までスマホや家電が使えなくなるリスクも高いです。
ポータブル電源とは、あらかじめ蓄えた電気を使って、コンセントがない場所でも家電や電子機器へ給電できる機器です。停電時には、以下のような場面で役立ちます。
- スマホやPCを充電できる
- 照明を確保できる
- 電気毛布や扇風機を使って暑さ・寒さをしのげる
- 電気ケトルや電子レンジを使って温かい食べ物・飲み物を食べられる
Jackery(ジャクリ)は、日本国内のポータブル電源市場をリードする企業です。2019年から2025年にかけて、国内におけるポータブル電源の年間販売台数で第1位を獲得し続けています。
令和6年には能登半島地震の被災地へ製品を無償提供するなど、災害発生時の支援に取り組んできた実績も豊富です。いざという時の備えとして、頼れる1台を用意しておきましょう。
7.エルニーニョ現象に関してよくある質問
最後に、エルニーニョ現象に関してよくある質問へ回答します。
①過去に日本でエルニーニョ現象が起きたのはいつ?被害事例は?

近年の日本では、2023年から2024年にかけてエルニーニョ現象が発生しました。世界規模で記録的な高温となり、2023年の世界平均気温は産業革命前と比べて1.45℃高い水準を記録しています。翌2024年には1.55℃上回り、観測史上最も暑い年となりました。
また過去の被害事例として特に知られているのが、1993年に日本を襲った記録的な冷夏です。1993年は稲が低温の影響を強く受け、全国の米の作況指数は戦後最低となる「74」を記録しました。
同年10月末時点の政府持越在庫量も23万トンまで減少し、国内産米だけでは供給量を確保できない事態となったのです。1993年から1994年の間、政府によってアメリカやオーストラリアなどの国から合計259万トンの米が緊急輸入されました。
この現象は「平成の米騒動」と呼ばれており、エルニーニョ現象が日本の食生活にも大きな影響を及ぼした代表的な事例です。
②エルニーニョとスーパーエルニーニョの違いは?

スーパーエルニーニョは、エルニーニョ現象の中でもとくに勢力が強いものを指す呼び方です。海面水温が平年よりも大幅に高くなり、世界の異常気象がより顕著に現れます。
ただしスーパーエルニーニョは気象庁の正式な用語ではなく、報道などで使われる通称にあたる言葉です。過去には1997年から1998年や、2015年から2016年のエルニーニョ現象が該当するとされています。
③エルニーニョ現象と地球温暖化は関係ある?

エルニーニョ現象そのものは、地球温暖化とは別に昔から繰り返されてきた自然界の現象です。ただし近年は、地球温暖化との関わりが指摘され始めています。
両者の関係は研究が進められている段階で、まだ解明されていない部分も多いです。今後、地球温暖化とエルニーニョ現象の関係性は、より詳しく解明されていくと考えられます。
関連人気記事:地球温暖化とは?原因や仕組みをわかりやすく解説!今すぐ始める4つの対策
まとめ
エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなる自然現象です。東風の弱まりをきっかけに数年に一度発生し、世界各地に異常気象をもたらします。
日本では夏は冷夏で雨が多くなりやすく、冬は暖冬に傾きやすくなるのが特徴です。台風シーズンには、大型で強い台風が接近しやすくなります。
2026年は春からエルニーニョ現象が発生しており、冬にかけて勢力が強まる見込みとされています。荒れた天候や停電に備え、日ごろから対策を整えておくのが大切です。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源があれば、停電時でもスマホの充電や冷暖房グッズの使用ができます。停電時でも最低限の生活を維持できるよう、日ごろからポータブル電源を備えておくのがおすすめです。