1.地震の縦揺れと横揺れとは|揺れ方の違いと特徴

地震の揺れ方は「縦揺れ」と「横揺れ」の2種類に分けられます。それぞれ建物や家具に与える影響が異なるため、両方の特徴を理解しておきましょう。
①縦揺れは地面に対して垂直方向に揺れる
縦揺れとは、地面に対して垂直方向(上下)に揺れる振動のことです。「下から突き上げられるような感覚」「ドスンという衝撃」と表現されることが多く、立っている場所が急に持ち上がったり落ちたりするような感覚を覚えます。
縦揺れは伝わる速度が速く、地震の最初に感じるケースが多いのが特徴。直下型地震のように震源が真下に近い場合、縦揺れを強く感じる傾向があります。
②横揺れは地面に対して水平方向に揺れる
横揺れとは、地面に対して水平方向(前後左右)に揺れる振動のことです。「グラグラと揺さぶられる感覚」「船に乗っているような感覚」と表現されることが多く、建物全体が左右に振られるような揺れを感じます。
縦揺れに比べて揺れの持続時間が長く、大きな地震では数分間にわたって揺れ続けることも。高層ビルや古い建物は横揺れの影響を受けやすく、家具の転倒や建物の損傷につながりやすい揺れです。
③縦揺れが先に到達することが多い
地震が発生すると、多くの場合は縦揺れが先に到達し、その後に横揺れがやってきます。「最初にカタカタと小さく揺れ、続いてゆさゆさと大きく揺れる」という体験をした方も多いでしょう。
縦揺れが先に届くのは、地震波の伝達速度に差があるためです。縦揺れをもたらす波は秒速約7kmほど、横揺れをもたらす波は秒速約4kmほどで伝わり、震源から離れるほど両者の到達時間に差が生じます。
ただし、震源が真下に近い直下型地震では、縦揺れと横揺れがほぼ同時に到達することもあります。「最初に小さな揺れ、次に大きな揺れ」というパターンが当てはまらないケースもあるため、揺れを感じたらすぐに身を守る行動をとりましょう。
④縦揺れと横揺れはどちらが危険?
結論から言えば、縦揺れと横揺れはどちらも危険です。以下のように、それぞれ異なるリスクがあります。
● 縦揺れ:上下の振動によって、食器棚の扉が開いて中身が飛び出したり、テレビが台から落下したりする被害が発生しやすい。大きな地震では、建物の土台から柱が外れることも
● 横揺れ:水平方向の力が建物にかかり、壁や柱に大きな負担がかかる。本棚やタンスなどの背の高い家具が転倒しやすく危険
どちらも危険ではありますが、部屋内の家具にしっかりと耐震対策をしていない場合、大型家具の転倒リスクが高い横揺れのほうが被害は大きくなりやすいです。
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2.地震波のP波・S波との違い|混同しやすいポイント
地震の揺れを語るとき、「P波」「S波」という言葉を聞くことがあります。縦揺れ・横揺れと混同しやすいため、それぞれの違いを整理しておきましょう。
①P波は地震波の進行方向と同じ向きに振動する縦波
P波(Primary wave)は、地震波の進行方向と同じ向きに振動しながら伝わる波です。音波と同じように、密度の高いところと低いところを繰り返しながら進むことから「疎密波」とも呼ばれます。
P波の速度は秒速約7kmで、S波よりも速く伝わるため最初に到達。P波による揺れは「初期微動」と呼ばれ、カタカタという小刻みな揺れとして感じられます。
②S波は地震波の進行方向と直交する向きに振動する横波
S波(Secondary wave)は、地震波の進行方向に対して垂直に振動しながら伝わる波です。「ねじれ波」とも呼ばれ、P波よりも振幅が大きく、建物に大きな揺れをもたらします。
S波の速度は秒速約4kmで、P波の後に到達。S波による揺れは「主要動」と呼ばれ、ゆさゆさという大きな揺れとして感じられます。建物の被害や家具の転倒は、おもにS波によって引き起こされます。
③縦揺れ≠P波、横揺れ≠S波であることに注意
多くの人が「P波=縦揺れ」「S波=横揺れ」と思いがちですが、厳密には異なります。P波・S波は「地震波の進行方向に対する振動の向き」を表しており、縦揺れ・横揺れは「地表面に対する揺れの向き」を表しています。
たとえば、震源が真下にある場合、P波は下から上に向かって伝わるため、地表では上下の縦揺れとして感じられます。S波は横方向に振動するため、横揺れとして感じられます。
しかし、震源が斜め方向にある場合は、P波でも横揺れを感じたり、S波でも縦揺れを感じたりすることがあります。震源との位置関係によって、体感する揺れの方向は変わってくるのです。
多くの場合は「最初の小さな揺れ(P波)=縦揺れ」「後からの大きな揺れ(S波)=横揺れ」と感じますが、必ずしもそうとは限らないことを覚えておきましょう。
3.地震の揺れは発生タイプによっても変わる|直下型地震と海溝型地震の違い
地震には「直下型地震」と「海溝型地震」という2つのタイプがあり、それぞれ揺れ方や特徴が異なります。自分が住んでいる地域でどちらの地震が起こりやすいか把握して、タイプに合った対策をしましょう。
①直下型地震は縦揺れが強く緊急地震速報が間に合わない可能性が高い
直下型地震は、内陸部にある活断層のずれによって発生する地震です。震源が居住地の真下や近くにあるため、揺れが到達するまでの時間が極めて短く、下から突き上げるような強い縦揺れを感じます。
直下型地震の揺れは10秒ほどの短時間で激しく揺れ、緊急地震速報が間に合わないケースも少なくありません。1995年の阪神・淡路大震災は直下型地震の代表例で、震源が浅く、エネルギーが減衰しないまま地表に伝わったため、甚大な被害が発生しました。
参考:内閣府防災情報のページ「阪神・淡路大震災教訓情報資料集阪神・淡路大震災の概要」
日本には判明しているだけでも約2,000の活断層が存在し、全国どこでも直下型地震が起こる可能性があります。突然の激しい揺れに備えて、家具の固定や寝室の安全確保を徹底しておきましょう。
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②海溝型地震は横揺れが長時間続き津波のリスクがある
海溝型地震は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界で発生する地震です。プレートに蓄積されたひずみが解放されることで起こり、マグニチュード8〜9クラスの巨大地震になることもあります。
海溝型地震では、小さな縦揺れの後に大きな横揺れが数分間続くのが特徴です。震源が陸から離れているため緊急地震速報を受け取る時間的な猶予はありますが、揺れが長時間続くことで家具の転倒・移動のリスクが上がります。
2011年の東日本大震災は海溝型地震の典型例です。広範囲で長時間の揺れが続き、さらに津波による大きな被害が発生しました。海溝型地震では津波への警戒も欠かせません。揺れを感じたら、すぐに高台や津波避難ビルへ避難する準備を整えておきましょう。
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4.地震の揺れへの対策|5つの備え

縦揺れにも横揺れにも対応できるよう、日頃から備えを進めておくことが被害を軽減するポイントとなります。今すぐ実践できる5つの対策を見ていきましょう。
①家具を壁や床に固定して縦揺れ・横揺れ両方に備える
背の高い本棚やタンス、食器棚などはL字金具やつっぱり棒を使って壁や天井に固定しましょう。横揺れによる転倒を防ぐのはもちろん、縦揺れで家具が浮き上がった際の移動も抑えられます。
キャスター付きの家具は、キャスターをロックするか、下皿やストッパーで固定しておくと安心です。冷蔵庫やテレビなど重量のある家電も、専用の転倒防止器具で固定しておくことをおすすめします。
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②重いものは低い位置に配置して浮き上がりを防ぐ
縦揺れでは、高い位置に置いたものほど落下しやすくなります。本棚の上段には軽いものを、下段には重いものを収納するよう心がけましょう。
寝室のベッド周りには、重い家具や落下しそうなものを置かないことも意識してください。就寝中に地震が起きた場合、逃げる時間がほとんどないため、寝室の安全はとくに念入りに確保してください。
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③食器棚に耐震ラッチやストッパーを取り付ける
縦揺れで食器棚の扉が開き、中の食器が飛び出す被害は少なくありません。扉に「耐震ラッチ」を取り付けておくと、揺れを感知して自動的にロックがかかり、扉が開くのを防いでくれます。
観音開きの扉にはS字フックをかけておく方法も有効です。開き戸だけでなく、引き出しにもストッパーを取り付けておくと、中身の飛び出しを防げます。
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④窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
地震の揺れで窓ガラスが割れると、破片でケガをする危険があります。窓ガラスに「飛散防止フィルム」を貼っておくと、ガラスが割れても破片が飛び散りにくいです。
とくに大きな窓やリビングの掃き出し窓は、フィルムを貼っておくと安心。避難時に素足でガラスを踏むリスクも軽減できます。
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⑤建物の耐震診断を受け、必要に応じて補強工事をする
1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の建物は、大規模地震で倒壊するリスクが高いとされています。自治体によっては無料または補助金付きで耐震診断を受けられる制度があるため、古い建物にお住まいの方は一度確認してみてください。
診断の結果、耐震性が不足している場合は、壁の補強や筋交いの追加などの耐震改修を検討しましょう。命を守るための投資として、計画的に、そして早めに進めることをおすすめします。
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5.大地震による揺れで停電も。Jackeryポータブル電源で備えよう

大規模地震では、揺れによる被害だけでなく、送電設備の損傷や安全装置の作動による停電が発生するリスクがあります。過去の震災では、復旧まで数日から1週間以上かかったケースも珍しくありません。
停電への備えとして、持ち運べる蓄電池「ポータブル電源」を用意しておくと安心です。コンセントと同じように家電製品を使えるので、以下の長に災害時の生活を支えてくれます。
● スマートフォンを充電して家族との連絡手段や情報収集の手段を確保する
● LEDランタンや照明を点けて夜間の安全を守る
● 電気ケトルでお湯を沸かして温かい飲み物やカップ麺を作る
● 電子レンジで非常食を簡単に調理できる
● 扇風機やヒーターで暑さ・寒さをしのげる
● 冷蔵庫を動かして食品や医薬品の鮮度を保つ
Jackeryのポータブル電源は安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、10年以上使える長寿命設計で防災備蓄に最適です。「UPS(無停電電源装置)機能」も搭載しているため、冷蔵庫につないだままにしておけば、外出中に地震に襲われても食べ物をだめにしてしまう心配はありません。
さらにソーラーパネルとセットの「Solar Generator」シリーズなら、停電が長期化しても太陽光で繰り返し充電できます。1台備えておけば最低限の停電対策はOKです。早めの備えで、いつ地震が来ても安心・安全に過ごせるようにしておきましょう。
6.地震の揺れに関するよくある質問
地震の揺れに関するよくある質問と、その回答をまとめました。
①緊急地震速報はどの揺れを検知している?
緊急地震速報は、最初に到達するP波(初期微動)を検知して発表されています。P波はS波よりも速く伝わるため、震源付近の地震計でP波を捉えた段階で震源やマグニチュードを推定し、S波(主要動)が届く前に警報を出す仕組みです。
ただし、震源に近い地域では、P波とS波の到達時間差がほとんどないため、緊急地震速報が届く前に強い揺れが来ることがあります。速報を受け取ったら、すぐに身を守る行動をとりましょう。
参考:政府広報オンライン|「緊急地震速報」と「津波警報」等 いざそのとき、身を守るために!
②縦揺れだけ・横揺れだけの地震もある?
厳密には、縦揺れだけ・横揺れだけの地震はありません。地震が発生すると、P波(縦波)とS波(横波)の両方が同時に発生し、伝わる速度の違いによって別々のタイミングで届きます。
ただし、震源との位置関係や距離、地盤の状態によっては、どちらか一方の揺れを強く感じることがあります。震源が遠い場合は横揺れだけを感じたり、震源が真下の場合は最初から強い縦揺れを感じたりするケースも。「揺れ方」と「地震波の種類」は別の概念であることを理解しておきましょう。
③地震の揺れやすさを確認できるマップはある?
防災科学技術研究所が公開している「J-SHIS(地震ハザードステーション)」で、住んでいる地域の揺れやすさを確認できます。J-SHISは「地盤増幅率」という指標を使って、同じ地震でも場所によってどれくらい揺れが増幅されるかを地図上で表示するものです。
地盤増幅率が高い地域(1.6以上)は揺れが増幅されやすく、同じ震度でも被害が大きくなりやすい傾向があります。自宅や職場の地盤増幅率を調べて、対策の参考にしてみてください。
参考:防災科学技術研究所|J-SHIS 地震ハザードステーション
④タワマンの地震の揺れはどう?激しい?
タワーマンションは厳しい耐震基準をクリアして建築されており、倒壊のリスクは極めて低いです。しかし、高層階では周期が長い揺れ「長周期地震動」の影響を受けやすく、ゆっくりとした大きな揺れが長時間続くことがあります。
東日本大震災では、震源から約700km離れた大阪の高層ビルでも長周期地震動が観測され、最上階では揺れ幅が数メートルに達したケースも。長周期地振動は高層階ほど揺れが増幅されるため、家具の固定やキャスターは入念にロックしましょう。
また、地震後はエレベーターが緊急停止し、復旧まで数日かかる可能性があります。階段での移動が困難な高層階では、数日分の食料・水・携帯トイレなどを備蓄しておくのがおすすめです。
関連記事:震度5弱の揺れはどれくらい?過去の地震や被害例、おすすめの防災対策を解説
⑤地震じゃないのに揺れを感じるのはなぜ?
地震が起きていないのに揺れているように感じる症状は、「地震酔い(地震後めまい症候群)」と呼ばれています。大きな地震や繰り返す余震を経験した後に、脳が揺れの感覚を記憶し続けると起こる現象です。
内耳の平衡感覚と視覚情報のズレ、地震への不安やストレスが原因とされており、2011年の東日本大震災後には7割以上の人が症状を自覚したという調査結果もあります。
症状は数日から数週間で自然に治まることが多いですが、めまいや吐き気がひどい場合は耳鼻科や神経内科を受診しましょう。地震関連のニュースやSNSを見すぎないこと、適度に体を動かすことも改善に効果的といわれています。
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まとめ
地震の揺れには「縦揺れ」と「横揺れ」があり、それぞれ建物や家具に異なる影響を与えます。縦揺れは上下の振動で家具の浮き上がりや食器の飛び出しを引き起こし、横揺れは水平方向の力で建物の倒壊や家具の転倒をもたらします。
どちらか一方だけが危険というわけではなく、両方への備えが必要です。家具の固定や耐震ラッチの設置、飛散防止フィルムの貼り付けなど、今日からできる対策を進めておきましょう。
また、大規模地震では停電が長期化するリスクもあります。Jackeryのポータブル電源があれば、停電時でもスマートフォンの充電や照明の確保、暖房や調理家電の使用が可能。ソーラーパネルと組み合わせれば、長引く停電中も電力の自給自足が可能です。地震への備えとして一家に1台導入しておきましょう。