1.一年で一番寒い日とされるのは「大寒」

暦の上で一年で一番寒い日とされているのが「大寒」です。まずは大寒の意味や時期、関連する風習を見ていきましょう。
①2025年の大寒は1月20日|二十四節気での位置づけ
2025年の大寒は1月20日です。大寒は二十四節気の中で24番目、つまり最後の節気にあたります。二十四節気とは、古代中国で考案された季節を表す暦の区分方法で、1年を24等分して季節の移り変わりを示すものです。「太陽の黄経が300度になる日」が大寒とされ、毎年1月20日前後に訪れます。「大寒」の時期の特徴は以下のとおりです。
● 冬の寒さが最も厳しくなる
● 次の節気「立春」で暦の上では春が始まる
● 実際の気温も最低に近づく
● 各地で寒波が訪れやすい
大寒は約2週間続き、次の立春(2月4日頃)を迎えると暦の上では春になります。「大寒を過ぎれば春」という言葉があるように、大寒は冬の終わりを告げる節気でもあるのです。
②小寒と大寒の違い|寒の入りから寒の明けまで
大寒の前には「小寒」という節気があり、2025年は1月5日がその日にあたります。小寒は「寒の入り」とも呼ばれ、本格的な寒さが始まる時期を示すもの。小寒から大寒を経て、次の立春の前日(節分)までの約30日間を「寒の内」または「寒中」と呼びます。
この「寒の内」の期間は、年賀状を送りそびれてしまった場合や、自分や相手が喪中だった場合に「寒中見舞い」を送る時期です。寒中見舞いは、厳しい寒さの中で相手の健康を気遣う挨拶状で、日本の冬の風習として定着しています。
③大寒の風習や行事
大寒の時期には、厳しい寒さを逆手に取って心身を鍛えたり、特別な食べ物を作ったりする伝統が今も受け継がれています。大寒の代表的な風習は以下のとおりです。
● 寒稽古や寒中水泳:武道の稽古や水泳を寒中に行い、精神力と体力を鍛える
● 大寒卵を食べる習慣:大寒の日に産まれた卵は栄養価が高く、金運や健康運が上がるとされる
● 寒仕込みの味噌や日本酒:雑菌が少ない寒い時期に仕込むと、質の良い発酵食品ができる
「寒仕込み」は、気温が低く雑菌の繁殖が抑えられるため、ゆっくりと発酵が進んで深い味わいになるとされています。また日本酒の酒蔵では、大寒の朝に汲んだ水「寒の水」を使って仕込む「寒造り」が行われ、最高品質の日本酒が生まれるといわれています。
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2.統計データで見る日本の一番寒い日/寒い月はいつか

暦の上では大寒が一番寒い日とされていますが、実際の気温データを見ると、地域によって寒さのピークは少し異なります。ここでは、気象庁の統計データに基づいて、実際にもっとも寒い時期がいつなのかを見ていきましょう。
①東京で一番寒い日は1月18日〜23日頃|過去30年の平均データ
気象庁の過去30年間の統計データによると、東京でもっとも寒い時期は1月18日から23日頃の6日間です。この6日間は最高気温、最低気温ともに平均気温が以下のとおり最低値を記録しています。
● 最高気温:9.5℃
● 最低気温:1.1℃
ただし、あくまで平均気温のため、年によっては若干ズレた時期に寒さのピークが来ることもある点は念頭に置いておきましょう。
②大阪で一番寒い日は1月26日〜31日頃|関西の寒さのピーク時期
大阪で一番寒い時期は、東京よりやや遅く、1月26日から31日頃です。この6日間は最高気温・最低気温が以下のとおり年間の最低値となっています。
● 最高気温:9.3℃
● 最低気温:2.6℃
大阪をはじめ関西地方は、日本海側からの寒気と太平洋側からの湿った空気が交わる地域です。そのため、曇りや雨の日が多く、気温以上に寒く感じることも多いでしょう。
③日本全国の一番寒い時期|1月下旬から2月上旬が底
日本全国で見ても、どの地域も1月下旬から2月上旬頃に年間最低気温を記録することが多いです。地域別の寒さのピーク時期の目安をまとめました。
● 北海道:1月下旬から2月上旬
● 東北地方:1月下旬から2月上旬
● 関東地方:1月中旬から下旬
● 中部地方:1月下旬から2月上旬
● 近畿地方:1月下旬から2月上旬
● 中国・四国地方:1月下旬から2月上旬
● 九州地方:1月下旬から2月初旬
地域によって数日から1週間程度のずれはあるものの、全国的に見れば1月下旬から2月上旬が寒さの底になります。2月中旬ごろから、徐々に春の気配が感じられるようになるでしょう。
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3.なぜ「1月下旬から2月上旬」が一番寒い月なの?気象のメカニズムを解説

12月22日頃の「冬至」が、一年でもっとも日照時間が短い日です。しかし、なぜ一番寒い時期は約1ヶ月後の1月下旬から2月上旬なのでしょうか。これには「地球の熱収支と気象のメカニズム」が関係しています。詳しく見ていきましょう。
①地表や海水が蓄えた熱の放出が続くから
冬至の時点で太陽からの日射量は最小になりますが、地表や海水はそれまでに蓄えた熱をまだ保持しています。地表や海水は熱容量が大きいため、冷却に時間がかかるのです。そのため、日射量が最小になった冬至から約1ヶ月遅れて、気温が最低に達します。海に囲まれた日本では、この「季節の遅れ」がより顕著に現れるのが特徴です。
②日射量よりも熱放射が上回る状態が継続するから
冬至を過ぎると日照時間は徐々に長くなり、太陽からの熱の吸収量も増え始めます。しかし、それでも地表からの熱放射(放熱)の方が上回る状態がしばらく続くため、気温は下がり続けるのです。
「日射量<熱放射」の状態が続く期間が長いほど、気温の低下も続きます。とくに晴天が続く日は、夜間の「放射冷却現象」による熱の放出量が増えるため、朝方の冷え込みがいっそう厳しくなるでしょう。
③シベリア高気圧の影響が最大になるから
冬の日本に寒気をもたらす最大の要因が「シベリア高気圧」です。シベリア高気圧は1月にもっとも発達し、日本へもっとも強い寒気が流れ込むため、1月下旬から2月上旬ごろにかけて気温が大きく下がるのです。
シベリア高気圧の影響は以下のように現れます。
● 強い北西季節風が日本列島に吹き付ける
● 日本海側では豪雪、太平洋側では乾燥した寒気が流入する
● 寒波が数日おきに訪れ、気温が下がり続ける
シベリア高気圧の勢力が衰え始める2月中旬以降、徐々に暖かい空気が流れ込むようになり、春の訪れを感じられることが多いです。
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4.一番寒い月を快適に過ごす寒さ対策・感染症予防策5選

一年でもっとも寒い1月下旬から2月上旬を快適に過ごすには「寒さ対策」と「感染症予防」が欠かせません。日常生活に取り入れやすい5つの対策を紹介するので、できることから実践してみましょう。
①エアコンとサーキュレーターを併用して効率的に暖房を使う
暖かい空気は天井付近に溜まりやすく、足元は冷たいままになりがちです。エアコンの暖房をかけた状態でサーキュレーターを天井に向けて運転させると、天井付近の暖かい空気を循環させて、部屋全体を均一に暖められます。
効率的にサーキュレーターを使うポイントをまとめました。
● サーキュレーターをエアコンの対角線上に配置する
● 首振り機能を使って空気を広範囲に循環させる
● エアコンの設定温度を20度から22度程度にする
● 窓際にカーテンやブラインドを使って冷気の侵入を防ぐ
電気代の節約にもつながるため、寒い時期こそサーキュレーターを活用してみてください。
関連記事:窓用エアコン冬はどうするべき?寒いとき・暖房の効きが悪いときの対処法
②根菜類と生姜を使った温活レシピで体の内側から温める
食事の内容を工夫して、体の内側から温まりましょう。根菜類には体を温める効果があり、生姜に含まれるショウガオール成分は血行を促進してくれます。体を温める食材の例は以下のとおりです。
● にんじん、大根、ごぼうなどの根菜類
● 生姜、ねぎ、にんにくなどの薬味
● 味噌、納豆などの発酵食品
● 鶏肉、羊肉などの温性の肉類
根菜類や薬味を使った温かいスープや鍋料理は、一年で一番寒い時期の定番メニューです。生姜を入れた紅茶や、根菜たっぷりの味噌汁を毎日の食事に取り入れると、冷え性の改善にもつながるでしょう。
③首・手首・足首の3つの首を守る重ね着テクニックを活用する
「3つの首」と呼ばれる首、手首、足首は、太い血管が皮膚の近くを通っている場所です。以下のような方法で太い血管を温めれば全身の血流が改善され、効率的に体を温められます。
● 首:マフラーやネックウォーマーを着用する
● 手首:長めの袖や手袋で覆う
● 足首:レッグウォーマーや厚手の靴下を履く
重ね着をする際は、体の中心部を温めることも忘れずに。腹巻きやインナーダウンを活用して、体温を逃がさない工夫をしましょう。
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④入浴前に脱衣所を暖めてヒートショックを予防する
冬の入浴時に注意したいのが「ヒートショック」です。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす現象のこと。とくに1月から2月にかけての寒い時期は、ヒートショックによる事故が多発します。ヒートショックを予防する方法は以下のとおりです。
● 入浴前に脱衣所を小型ヒーターで暖めておく
● 浴室も事前にシャワーで暖めておく
● 湯船の温度は40度前後のぬるめに設定する
● 入浴前後に水分補給をする
とくに高齢者や高血圧の方は、ヒートショックのリスクが高いため、十分な注意が必要です。脱衣所にコンセントがない場合は、持ち運べるコンセント付きの蓄電池「ポータブル電源」を活用するとよいでしょう。
関連記事:シャワーだけでもヒートショックになるかも!危険性の高い条件や対策・対処法も解説
⑤室内の湿度を高めに保ち風邪やインフルエンザの蔓延を予防する
G.J.Harper氏の論文によれば、「温度20.5〜24℃・湿度20〜25%」の条件では6時間後のインフルエンザウィルスの生存率は「66%」でした。しかし、湿度を「49〜51%」まで引き上げると6時間後生存率が「3~5%」まで減少しました。
参考:G.J.Harper「Survival tests with for viruses」
寒い時期は空気が乾燥しやすく、風邪やインフルエンザのウイルスが活発になります。以下のような方法で室内の湿度を高めに保ち、ウイルスの活動を抑えましょう。
● 加湿器で湿度を上げる
● 洗濯物を室内に干す
● こまめに換気をして新鮮な空気を取り入れる
ただし、湿度が高すぎると結露やカビの原因になるため、湿度計でチェックしながら調整しましょう。「50%前後」が、感染症対策とカビ防止の両方の観点で「ちょうどいい湿度」といえます。
関連記事:簡単にできる部屋の寒さ対策13選!手軽な方法で冬を乗り切ろう
6.積雪時は停電のリスクも!「Jackeryポータブル電源」で対策しよう

一年でもっとも寒い1月下旬から2月上旬は、大雪による停電のリスクも高まる時期です。積雪や凍結によって電線が切れたり、電柱が倒れたりすることで、突然の停電が発生することがあります。
停電時に暖房が止まると、室温が急激に下がってしまいます。外気温が氷点下なら、数時間で室内が危険な温度まで下がってしまうでしょう。そんな緊急時に備えておきたいのが、ACコンセント出力を搭載する持ち運び式の蓄電池「Jackery(ジャクリ)のポータブル電源」です。
Jackeryのポータブル電源があれば、冬の停電時でも以下のような対策ができます。
● エアコンや電気ストーブ・電気毛布を稼働させて暖をる
● スマートフォンを充電して連絡手段を確保する
● テレビで停電・災害の情報を集める
● 照明をつけてケガの不安なく安全に過ごせる
● 電気ケトルや電子レンジで温かい飲み物・食べ物を作れる
Jackeryのポータブル電源は氷点下になる寒冷地での動作も考慮された耐久温度となっているため、真冬の停電時にも安心して使えます。
持ち運び式のソーラーパネルと組み合わせれば、繰り返し充電できるので停電が長期化しても安心です。一年でもっとも寒い時期の「もしもの備え」としてポータブル電源を1台準備しておきましょう。
7.一番寒い日に関するよくある質問
一番寒い日に関する、よくある質問とその回答をまとめました。
①「一年で一番寒い日」は英語でどう表現する?
「一年で一番寒い日」は英語で以下のように表現できます。
● "the coldest day of the year"(一年でもっとも寒い日)
● "the coldest time of the year"(一年でもっとも寒い時期)
● "the peak of winter"(冬の最も厳しい時期)
また、大寒を説明する際は "Daikan, the coldest period in the traditional Japanese calendar"(大寒、日本の伝統的な暦でもっとも寒い時期)のように表現すると良いでしょう。
②今年(2026年)一番寒い日はいつ?
気象庁によれば、2025年12月~2026年1月の平均気温は全国いずれの地域も「平年並み」の予想です。つまり、平年どおり「1月下旬から2月上旬」にかけてが一番寒くなる地域が多くなると考えられます。
参考:気象庁「向こう3か月の天候の見通し全国 (12月~2月)」
③1日で一番寒い時間は何時ごろ?
1日の中でもっとも気温が低くなるのは、午前5時から6時頃の日の出前の明け方です。これには以下のメカニズムで起こる「放射冷却現象」が影響しています。
● 夜間は太陽からの熱が届かない
● 地表からは熱が宇宙空間へ放射され続ける
● 明け方にもっとも気温が下がる
● 日の出とともに気温が上昇し始める
冬の早朝に外出する際は、午前5時から6時頃の日の出前がもっとも寒いことを念頭に置いて、しっかりと防寒対策をしてください。
まとめ
一年で最も寒い日は、暦の上では1月20日頃の「大寒」ですが、実際の気温データを見ると、1月下旬から2月上旬にかけてがもっとも寒い時期になります。
寒い時期を快適に過ごすには、サーキュレーターを併用した効率的な暖房使用や体を温める食事、3つの首を守る重ね着が効果的です。寒い時期ならではの「ヒートショック」の予防や、感染症を予防する「湿度管理」も忘れずに行いましょう。
また、積雪による万が一の停電に備えて、Jackeryのポータブル電源を準備しておくと安心です。一年でもっとも厳しい寒さの時期、事前の備えで快適に過ごしてください。